売場、商品、衣食住、DXそして地域共創!平和堂が行う全方位改革の全貌とは
30~40代の獲得が課題
そうした中、平和堂が現在、めざす姿に掲げるのは「地域密着ライフスタイル総合(創造)企業」。重視する「健康」「子育て」「高齢者」といった切り口、シーンに向けた品揃え、売場づくりを強化し、「地域社会の元気に貢献する企業」であり続けることを目標に設定する。
利用者に目を向けると、50代以上の年齢層がメーンであり、若い世代の構成比率はやや低い。この中で平和堂は、既存顧客の満足度を保ちつつ30~40代の支持を獲得することを課題としている。
なぜ平和堂では50代以上と比べると若い年齢層の利用がまだ少ないのだろうか。あらためて各年齢層の特性、そのバックグラウンドを考えてみたい。
まず50代以上。この年齢層が歩んできたのは、人口が増加し、あらゆるマーケットが拡大していた時代。収入を含めてすべてが右肩上がりで、高度経済成長期やバブル期なども経験している。
一方、30~40代はどうだろうか。日本の人口は2000年代後半から減少に転じ、その傾向は今も続く。社会に出たのはバブル崩壊後で、就職氷河期といわれた時期と重なる。さらに平均年収は約30年間、ほぼ変わっていない。
こう見ると、若い人々は消費に対し慎重で、価格に敏感であることは容易に想像できる。その点、前出の調査結果で、平和堂を選ぶ理由を「安いから」とした回答者数は、4チェーンで最も少なかった。
また平和堂の商品政策は、味、品質を重視する方針で、そこが50代以上の利用者から高く評価されているポイントであるのは間違いない。しかし肝心の30~40代に対しては、価格面での抵抗感もあり、その価値が十分に伝わっていない可能性がある。
このあたりに、若い層の支持を獲得するためのヒントがありそうだ。これは同時に大きな伸びしろでもある。
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