年初来+65%上昇!評価高まるZOZO株 最高値更新の日は近いのか?

2021/09/06 05:54
    椎名則夫(アナリスト)
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    ZOZOエコシステム」構築を担うZOZOCOSME

     このようにZOZOは既存ユーザーへの提供価値を高め、顧客単価をひきあげ、そしてリテンションを強化する段階にあると筆者には見えます。カスタマイズ提案とクロスセルによる「ZOZOエコシステム」の構築とも呼べるでしょう。
     
     この文脈では、ハイエンドを狙ったZOZOVILLAやZOZOMATを生かした靴が注目されますが、筆者の周りで話題になっているのはZOZOCOSMEです。この取り組みはアパレルとの親和性が高く、ZOZOGLASSに代表されるユニークなUX(ユーザー体験)も期待でき、テナントに対する高い収益貢献が予想されるうえ、ユーザーのリテンションを高めることも大いに期待できそうです。

     仮に、日本のアパレル市場を9.1兆円、化粧品市場を2.6兆円とすると、ZOZOCOSMEのクロスセルが成功すれば現在よりも顧客単価は30%上昇しても不思議はありません。

     ユーザーのリテンションが強まれば、広告事業の価値も高まるはずです。

     また、アマゾン、Shopify(ショッピファイ)、Facebook、BASEなどが続々強化を進める、「個人や小規模事業者にマーケットプレイスへのアクセスを提供する事業」(ZOZOの場合はYOUR BRNAD PROJECT)においても、他社にはない顧客基盤を提供できることでしょう。

     

     ZOZO生産プラットフォームの商業化展開も含めて、成長のタネが揃ってきました。

     ZOZOは利益面では過去最高益を更新していますので、次は株価の番です。ここで触れたZOZO COSMEが新規顧客獲得と顧客単価上昇の二つに成果を出せば、その日は遠くないと考えます。

     

    プロフィール
    椎名則夫(しいな・のりお)
    都市銀行で証券運用・融資に従事したのち、米系資産運用会社の調査部で日本企業の投資調査を行う(担当業界は中小型株全般、ヘルスケア、保険、通信、インターネットなど)。
    米系証券会社のリスク管理部門(株式・クレジット等)を経て、独立系投資調査会社に所属し小売セクターを中心にアナリスト業務に携わっていた。シカゴ大学MBA、CFA日本証券アナリスト協会検定会員。マサチューセッツ州立大学MBA講師

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