コロナ禍の勝ち組「生協」が進める新たな「連帯」とは
「シームレスな連携」へ
今回、日本生協連が発表した改革のなかで注目したいのが、日本生協連と全国の会員生協における「新たな連帯構造の構築」だ。
日本生協連代表理事事業担当専務の藤井喜継氏は記者会見で「会員生協、事業連合、日本生協連で機能の分担をしながら事業運営を進めているが、この3層構造をさらにシームレス(継ぎ目のない)な連携にするべく検討を進める」と述べている。
これまでにも生協陣営は、「コープ商品」の共同開発における全国的な連携のほか、日本生協連と各地域の事業連合との物流連帯などを進めてきた。しかし、事業連合との連帯はまだら模様であり、また会員生協、リージョナル事業連合、日本生協連での重複構造は残されている。
しかしコロナ禍で食品宅配市場が注目され、アマゾンやイオン(千葉県)をはじめ他のプレーヤーが一気に成長投資を仕掛けるなか、生協の事業経営が好調な今、将来的な事業存続に向けて新たな連帯構造構想を打ち出したかたちだ。
まずはコープデリと
日本生協連で「連帯事務局」設立
まず組織構造改革の先行施策として、関東・信越の1都7県の地域生協からなるコープデリ連合会(埼玉県)と日本生協連で「連帯事務局」を設立。互いの経営資源を共有して、デジタル活用などにより宅配事業の改革を図る。
さらに、これまでコープデリ連合会で理事長を務めてきた土屋敏夫氏が、21年度から日本生協連会長に就任している。
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