2030年に売上高3兆円へ!良品計画・堂前宣夫新社長が策定した新中計の戦略とは
店舗での医薬品販売も開始
より生活者に密着するための商品も充実させる。具体的には、タオルやシーツ、掃除用品、生活用品、キッチン消耗品などの品揃えを強化。「これまで無印良品は収納用品などが強かったが、毎月買うような商品ではない。より日常的に必要なものを増やしていきたい」(堂前氏)
また、以前から実施している価格改定を継続。誰でも手に取りやすい価格を実現するため、戦略的に粗利率を低減させる。それを補うため、「開発生産部」の新設により商品原価低減に取り組むほか、店舗の経費効率向上も実施。全商品へのRFIDタグ取り付けなど作業を効率化するほか、地方の生活圏への出店で投資額を抑える。また、歩合家賃から固定家賃への転換を進め、売上向上とともに家賃比率が下がる構造に移行する。
そのほか、物販以外でも地域のコミュニティセンターとなるようなさまざまなサービスを実施する。山林課題の解決から暮らし方までを提案する空間設計・リノベーションを本業とする空間設計事務所を立ち上げるほか、一部の店舗で提供していたクリーニング、修理、清掃、引っ越しなどのサービスを事業化する。また、健康事業にも参入し、店舗での医薬品の販売に加え、ヘルスケアや健康関連のサービスも開始する考えだ。すでに「無印良品 直江津」(新潟県直江津市)では病気の予防・健康維持から薬までを一気通貫で提供する「まちの保健室」がオープンしている。