アクシアルの新・3カ年中計を徹底解説 グループ会社との“調和”で製造小売、IT強化へ
コロナ収束後も同水準の売上高を稼ぐ!
業界のなかでも高い収益性を誇るアクシアルは、コロナの追い風を受けて今後どのように成長を図っていくのか。
同社が明らかにした新・3カ年中計では24年3月期に、売上高はコロナの影響を受けた21年3月期と同水準の2540億円、経常利益率は4.2%の達成を掲げる。毎年4店舗ずつ計12店を新規出店し、店舗数を137店舗まで広げる方針だ。
こうしたさらなる成長を実現するべく同社は21年3月期には10年ぶりにグループビジョンを更新。「エンジョイ!アクシアル セッション♪」を新たに掲げた。同ビジョンには、グループ各社、ひとり一人の従業員が自律的に技量を磨き、全体で“調和”のとれた活動を行うことで今まで以上のマスメリットを創出し、新たな価値を提供できる組織をめざすという意味が込められている。
食品製造子会社で独自商品を続々と開発
とくに注目したいのが、同社が“調和”と呼ぶ、グループ会社との連携により成長を図る取り組みだ。
たとえば、食品製造会社のローリー(新潟県)では近年、製造拠点の拡大を推進してきた。18年には「中之島チルドセンター」(新潟県長岡市)に併設させるかたちで、ベーカリー、精肉、水産のプロセンスセンターを新設。なかでもべ-カリーは冷凍生地を活用して1日2万5000個のパンを製造し、一部商品は原信・ナルスだけでなくフレッセイにも出荷している。
ローリーの機能を生かした最近の新商品には、3月から一部店舗で販売する「小国饅頭」がある。長岡地区の銘菓の1つで、製造・販売していた老舗専門店が廃業することを受けて、ローリーが同店から製造ノウハウと機械を承継。原信・ナルスの名物商品であるおはぎの餡を活用して商品化しており、今後、新たな名物商品へと育成してく考えだ。