コインスター(Coinstar) CEO ジム・ギャリティ 「硬貨の両替は、重要な集客装置になる」
──導入する小売業にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ギャリティ 提携する小売業様のメリットとして、まず手数料収入が挙げられます。これは利用者がコインスターを利用するごとに発生しますので、利用者を増やせば増やすほど、小売業様に手数料収入が入ることになります。設置費用は当社で負担しますし、硬貨の回収も当社が行います。ですから、小売業様に導入時、導入後のコストはほとんどかかりません。
過去に導入店舗でアンケートを実施しましたが、サービスカウンターで交換した紙幣のほとんどは、その店舗で使われていることがわかりました。単価の高い商品を購入される方が多いようです。客単価の上昇が期待できるでしょう。
また、コインスターのコイン換金機があることで、より多くの方が来店する可能性もあるでしょう。いまのところ競合するのは銀行くらいですから、小売業様が導入するメリットは大きいと自信を持っています。
──硬貨を紙幣以外に交換することもできるのでしょうか。
ギャリティ 欧米では、アマゾン・キャッシュのアプリや「スターバックス」「フォーエバー21」などのギフト券などに交換することもできます。手数料なしで慈善団体に寄付することも可能です。
利用実績をみると、硬貨を紙幣に両替する方が全体の95%以上を占めています。
まずユニー3店舗に導入、5年で3000~4000店舗めざす
──なぜ日本への進出を決定したのでしょうか。
ギャリティ 日本は海外に比べてキャッシュレス決済の比率がクレジットカードを含めても2割程度と低く、われわれにとっては開拓する余地が大きいと判断しました。
日本では硬貨流通額が4兆4000億円を超えており、米国に次ぐ規模となっています。1人当たりの硬貨保有額も3万円を超えており、硬貨両替の潜在的なマーケットは大きいと捉えています。
──日本での展開について教えて下さい。
ギャリティ 当面は欧米と同じようなビジネスモデルを展開していくつもりです。まずは、ユニー・ファミリーマートホールディングス傘下のユニーさんの横浜市内にある3店舗に7月末からコイン換金機を設置しました。
日本でも欧米と同じく、幅広い方から利用されると見ています。まずはユニーさんの店舗への設置を進め、今後5年以内に他の小売業様を含めて3000~4000店舗にコイン換金機を設置していく方針です。
日本では「コインスター カウンツ(Coinstar counts)」をいうキャッチコピーを掲げて、コインスターが「硬貨を数える」、そして「(集客にとって)重要である」ことを強くアピールしていくつもりです。
そして、「(硬貨流通を促進し、硬貨発行を抑制することで)環境に優しい」、「(硬貨が少ない)スマートな暮らし」という意味を込めて「グリーン & スマート(green & smart)」を強く訴求する方針です。
──日本では人手不足対策が喫緊の課題です。コインスターが貢献できることもありそうですね。
ギャリティ キャッシュレス化が進んでいるとはいえ、多くの国ではまだ現金決済が多いのが現状です。日本においては、あらかじめ硬貨を紙幣に両替することで、レジ業務の負担軽減につながるでしょう。
また、コインスターのソフトウェアを更新することによって、日本においてもさまざまなサービスに対応できると考えています。