アパレル大不振のワールド「裏方」で稼ぐ 年に2度の「構造改革」で復活なるか?
アパレルで培った「機能」「ノウハウ」の外販で儲ける
具体的には、デジタル化を推進し、戦略商品の出店を加速。売場およびブランドでEC化を加速させ、新状態に適合した販売体制を確立することが軸となる。加えて、堅調に推移するライフスタイル事業のさらなる収益の拡大を図り、変化に強い企業体への進化を図る。
そうした中でデジタル事業の取り組みは特徴的だ。事業はまだ赤字だが、大手通販や大手アパレル、大手セレクトショップからリアル店舗との連動を前提とするEC業務を受託しているほか、ダイワハウス工業と協業して、大手アパレルなどに物流コンサル業務も行うなどBtoB領域での業容を拡大している。
このほか、他社との協業によるオンデマンドプリントをフル活用した独自の生産モデルで、デジタルマーケティング部門と密に連携することで、次世代型の服作りを実現する。横展開も視野に入れており、新常態も見据え、面白い存在に成長する可能性を秘める。
また、個人クリエイターをファンをつなぎ、製造から販売、PRまでを包括するプラットフォームとしての「ワールドファッションクラウド」(仮称)のベータ版もローンチし、次世代をにらんだ新たなアパレルの形も追求する。
さらにリユース、シェアリングサービスも強化し、「つくらない」ビジネスも本格化させる。
こうした、「裏方」業務ですでに大きな利益を上げているのがプラットフォーム事業だ。885億円の事業売上収益のうち、外部から上げた売上収益はすでに127億円、他の事業がいずれも赤字のなか、41億円のセグメント利益を計上している。なお同事業は22年3月期、さらなる外販強化に向けた費用負担と医療用ガウンというコロナ関連特需の反動で、大幅減益となる見通しである。