洋風食品専門店のサンクゼールが和のセレクトショップ「久世福商店」を立ち上げたきっかけとは?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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海外展開が「久世福商店」開発のきっかけ

久世福商店の売場
久世福商店の売場

 一方、伝統的な日本食材を中心に取り扱う「久世福商店」の第1号店である「久世福商店イオンモール幕張新都心店」がオープンしたのは2013年。洋風の食品を取り扱う「サンクゼール」とは真逆のコンセプトである業態を開発したのは、海外からの反応がきっかけだったという。

 10年ほど前、「サンクゼール」での海外進出を計画し、中国や香港、シンガポールなどで開催された展示会に参加したほか、中国では現地のスーパーマーケットと提携して直営店も出店した。しかし、現地の反応は思わしくなく、「なぜ日本人なのにワインやジャムを売っているのか。醤油や日本酒を売るべきだ」という声が相当数あったという。

 結局、国際情勢の悪化などもあり撤退。その後、イオンモールから出店を依頼された際、「新しい業態で出店してほしい」との要望があったため、いずれこだわりの日本食材を武器に海外展開することを視野に入れて新たに開発したのが「久世福商店」だ。

ヒット商品の「海苔バター」
ヒット商品の「海苔バター」

 「久世福商店」のアイテム数は約10001300アイテムほど。塩や醤油、味噌、酢などの調味料のほか、昆布などの海藻類や鰹節など出汁系の商品、煎餅や飴などの菓子類、地酒やこだわり焼酎といった酒類などを展開。「昔からある日本の伝統的な食品」を中心に取り扱っている。近年はごはんのおともになる瓶詰のおかずに注力。パンとも相性がよい「海苔バター」(463円)や「至福のひと時 大人のしゃけしゃけめんたい」(626円)などがヒット商品となっている。

 

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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