セブン、セコマ、神戸物産・・・オンリーワン商品で無競争状態を作る 食のSPA 化!
商品の「価値」をどう伝えるか

最後に、商品の「価値」を伝えることの重要性についてもふれておきたい。
本特集の取材に応じたセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)の常務執行役員グループ商品戦略本部長の石橋誠一郎氏が、情報発信の重要性を示すあるエピソードを披露している。
セブン&アイグループが展開する「セブンプレミアム」において、サラダチキンをリニューアルしたときのこと。同商品はブームが一段落して販売が低調だったが、リニューアルで商品名に「糖質0g」と表記したところ、再び上昇軌道に乗ったというのだ。
ここで重要なのは、「もともとサラダチキンに糖質は含まれていない」という点だ。つまり、あえて商品名に表記したことでお客に「価値」が伝わり、売上増につながったのである。
せっかく独自商品を生み出しても、その「価値」がお客に伝わらなくては販売につながらない。POPでの商品説明や陳列、パッケージデザイン、イベント開催など、「商品力に長けている」といわれるチェーンは、商品の「価値」を訴求するための情報発信にも力を入れている。本特集では有力各チェーンの商品開発の取り組みをレポートしているが、「商品開発力」だけでなく、独自商品を売り込んでいく「販売力」にも注目してほしい。
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