フルーツサンド1つで大ブームをつくったローカルスーパーマーケットに学ぶマーケティングと次なる成長戦略!
核商品開発で一躍有名店に!「ダイワ」、接客とSNS活用により「人の魅力」で勝つ
1つの核商品の開発により一躍全国的に有名になったローカル食品スーパー(SM)がある。愛知県岡崎市で大和(愛知県/大山皓生社長)が運営する「ダイワ」だ。同社は商品開発はもちろんのこと、独自のPOPやチラシ、SNSなどを活用した顧客とのコミュニケーションにより、競争激しいSM業界において多くのファン獲得に成功している。
SMの強み「青果」を訴求、カフェや専門店も出店
「ダイワ」は名鉄名古屋本線「宇頭(うとう)」駅から南へ約50mにある。2020年で創業50周年を迎えた、一見、昔ながらのSMだ。同店が全国的な有名店になったきっかけは、看板商品のフルーツサンドだ。「八百屋の作る本気のフルーツサンド」と銘打ち、SMの強みである鮮度の高い果実をふんだんに使用。そのボリューム感と、インパクトのあるカラフルな断面が「SNS映え」するとして「Instagram」で話題を集め、いまやこれを買い求めに全国各地から同店にお客が訪れる。
この強力な核商品を生み出したのは、18年に24歳という若さで大和の2代目社長に就任した大山皓生氏だ。それまで大山社長の祖父が会社を経営していたが、出店競争が激化する昨今、経営環境が悪化し毎年赤字状態が続いていた。
そこで大山社長が経営の立て直しに動く。知識ゼロの状態から市場での仕入れのノウハウやSMの経営を学び、地域に根差した接客・店づくりで近隣住民の支持を得ていった。
しかし、将来的な成長にはより広域からの新規顧客の獲得が重要として、「店に行列ができるような商品」づくりに着手する。かつてたこやき店で働いていた大山社長の経験から、まずは屋台の人気メニューであるかき氷を、果物をふんだんに使ってアレンジして販売。これがSNS上で反響を呼んだことから、次は夏場に限らず通年で販売できる商品として18年7月に開発されたのがフルーツサンドだ。
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