巨人軍の名将・川上哲治氏著の『遺言』からリーダー・ビジネスマン向けの選りすぐりの金言を紹介
タレント本流行りのご時世で、猫も杓子もちょっと有名になると自伝や自説を単行本として刊行する。それが、ある程度の販売部数実績を残すものだから、二匹目のドジョウ狙いでまた違うタレントを見つけてきては、出版する――。出版業界に身を置きながらも、思わず首をひねってしまう不思議な連鎖が続いている。タレント本に感化されたかどうかは、分からないが、同じように多くの単行本が出回っているのは、スポーツ選手である。書店に行けば、「あら、この選手まで…」という感じのメジャー領域にまでは達していないと思しき選手の単行本まであり、スポーツ選手本も花満開の状況が続いている。
そんな有名人本に先駆けて、ひと際素晴らしい輝きを放っていたスポーツ選手の本があった。
「赤バットの川上」「巨人軍V9の指揮官」で知られる川上哲治さんの『遺言』(2001年5月、文藝春秋刊)だ。たぶんこうした秀書が元になって、いまの有名人本ブームに繋がっているのだろう。
監督通算1066勝(1866試合)。昨年、読売巨人軍の監督としての勝利数は、原辰徳現監督に抜かれてしまったが、巨人軍を9年連続で日本一の座に導いたことはオールドファンにとっては伝説だ。監督在籍15年間で日本シリーズ優勝通算11回は、南海ホークスの鶴岡一人さんと並んで歴代最多。巨人で最多勝の原監督は3回に過ぎない。
さて、『遺言』の内容であるが、全文が意味と価値のある金言だ。だから、私の所有する『遺言』は、気に入ったフレーズにつけたマーカーだらけである。転居にともない『遺言』を読み直し、マーカーの中でもさらに、選りすぐった言葉を以下に列挙してみたい。
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは -
2024/05/23
キットカットをナンバーワンにしたマーケター「アイデアより大事なこと」とは -
2024/04/15
スーパーマーケット業界のゲームチェンジャー、オーケー創業者・飯田勧氏の経営哲学とは
この連載の一覧はこちら [1799記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-11売場と棚割を瞬間記憶!小売店舗の調査分析に捧げた鬼才 追悼、矢野清嗣さん
- 2024-12-04流通業界に人材が集まらない理由と、自社に“だけ”は集める方法
- 2020-05-01オーケー、テンアライド、セコム 起業家兄弟を育てた父・飯田紋治郎の教え
- 2022-08-24人々を悩ませる「先入れ先出し」と「後入れ先出し」
- 2020-03-23橋田壽賀子脚本の名作『おしん』のモデルといわれる2人の女性スーパーマーケット創業者
- 2020-11-18ビッグチェーンが次々と系列化…「流通革命」とは一体何だったのか?
- 2019-09-18タクシー業界の喜怒哀楽 乗りながら考えたこと3つ
- 2020-02-06スパイ教育を受け、戦後小売の道に 一大勢力を築いたバロー創業者、伊藤喜美物語
- 2020-02-28日本最大の釣り具チェーンを育て上げた”釣り業界の革命児”、上州屋・鈴木健児物語
- 2020-07-02#2 ユニー“中興の祖” 家田美智雄さんの物語