増収増益のクスリのアオキHD、食品スーパー買収後の次の一手
規模拡大をねらったM&Aはしない
──期中にSM企業2社を子会社化した。ねらいは何か。
青木 準備の3つ目はMD(マーチャンダイジング)の改善だ。現在、ドラッグストア(DgS)業界は同質化競争に入っていると考えている。今後、新中期経営計画の中では同質化競争から抜け出し、MDを改善することによって差別化を図っていきたい。
現在は当社の柱であるフードと調剤のブラッシュアップに取り組んでいる。
フードは生鮮食品強化の起爆剤として、石川県のナルックス(売上高48億円:5店舗)、京都府のフクヤ(同58億円:8店舗)のSM企業2社を子会社化した。当社はすでに450坪大型店において生鮮4品を扱っている。さらに350坪標準店においても青果・精肉を取り扱っている。しかしながらまだまだ“素人感”があり、改善の余地があるのでSMを子会社化した。子会社化したSMはすべてDgSに転換する。
代表取締役社長になってから初のM&A(合併・買収)になったが、これまでの路線から大きく変わることはない。つまり規模拡大をねらったM&Aはしない。
調剤は新型コロナウイルス感染拡大により、患者さまの受診抑制が響いて大きな打撃を受けている。こんな状況だが、今後を見据えると当社にとって信頼と利益の柱であることに変わりはない。新卒薬剤師の採用だけでなく中途採用も順調だ。今期は60薬局を開局する計画だったが、採用が好調なので11薬局増えて71薬局を開局する。期末の調剤併設率は50.1%になる計画だ。