人類未体験ゾーン突入!ユニクロ以外アパレル全滅の時代 生き残るためのサステナブル経営の本質
バーチャルクラスターの誕生が
マーケティングを変える
人は、物欲がなくなった代わりに、自分と同じ嗜好をもった仲間とネット上で繋がり、自分のアイデンティティと自己確立をネット上で行ってゆくことに金を払うようになった。実際、私はビジネスパートナーの多くとはネットで繋がったし、最近では婚活もネットが主流と聞く。つまり、唯一の成長市場と思われたスマホも、実際は、スマホそのものに価値があるのでなく、その中にある仮想現実とリアルが混ざった世界における新たな「人とのつながり」が消費を呼び込んでいるのだ。
この破壊力は凄まじい。地球上の人間が世界規模のネットワークに参加しながら、新しいバーチャルクラスター(地理的制約を受けない同一嗜好性をもった集団)を形成するのである。それに伴い、マーケティングも恐ろしいほど細分化されてきた。また、情報は、過去企業側の唯一のアドバンテージだったが、今は、スマホのおかげで消費者のほうが企業より遙かに高い情報を持ち始めている。したがって、過去のように内外価格差1.5倍などというビジネスは成立せず、消費者は「バイマ」でポチって、世界中から欲しいものを安価に手に入れらるようになった。
本来、シンプルに考えてみれば、成熟した市場で、それでも企業が売上を志向するならオプションは3つしかない。
1.新しい市場を創り上げる、
2.成長著しいグレーターチャイナや東南アジアに進出する、
3.競合を世界にだぶついた金を使って買収し規模を拡大させる、
このいずれかしかない。こうしたシンプルな発想さえせずに、縮小する市場の中であの手この手で「物販」というドグマから抜けられず、競争環境は勝者のいない消耗戦に突入した。