410㎡の冷食売場!マックスバリュ西日本の最新型「ザ・ビッグ」の売場が反映する戦略とは
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)傘下で複数の事業会社が運営しているディスカウント業態の「ザ・ビッグ」。本稿では、ザ・ビッグ発祥の地である広島県を中心に瀬戸内エリアで同業態を展開するマックスバリュ西日本(広島県/平尾健一社長)の取り組みを解説。最新店舗である「ザ・ビッグ綾羅木店」(山口県下関市:以下、綾羅木店)での施策を軸に、同社のザ・ビッグ事業の戦略を紐解く。
出店エリアに応じてSMとDSを使い分け
イオン傘下で中国・四国エリアの食品スーパー(SM)事業を運営するマックスバリュ西日本は、2020年10月17日、ディスカウントストア(DS)業態の綾羅木店を開業した。9月30日に閉店した「ザ・ビッグ安岡店」(山口県下関市:以下、安岡店)から約400メートル南に位置し、衣食住をフルラインで展開。圧倒的な低価格と品揃えにより、下関エリアでシェアナンバーワンをめざす。
ザ・ビッグは、広島県を中心に総合スーパー(GMS)を運営し、1980年代末以降DS業態に転換したみどりを発祥とする。みどりは99年、広島県を拠点とするSMの山陽ウェルマートと合併して山陽マックスバリューとなった後、2000年8月、マックスバリュ西日本と合併した。マックスバリュ西日本では、山陽3県と、高知県を除く四国エリアでザ・ビッグを展開するほか、19年5月に「ザ・ビッグ境港店」(鳥取県境港市)を開業し、山陰エリアにも進出。マックスバリュ西日本が運営するザ・ビッグの店舗数は43店舗となっている(20年10月時点)。
マックスバリュ西日本は、市街地でSM業態の「マックスバリュ」を展開する一方、郊外では広域商圏型のDS業態であるザ・ビッグを展開するというエリア戦略をとっている。ザ・ビッグの標準的な店舗フォーマットは売場面積4000㎡で、約8000品目の食品を含め、衣食住のフルラインで約3万2000品目を取り扱う。非食品の分野も幅広く取り扱ってきたみどりからの実績やノウハウを生かし、食料品だけでなく、生活全般にわたって地域の消費者ニーズに応える品揃えや売場づくりを行っているのが特徴だ。イオングループのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」のほか、ナショナルブランド(NB)やローカルブランドを交えて、商品面での差別化を図っている。
商圏設定を自動車20分圏内に見直し
綾羅木店の直営売場面積は4632㎡。1階の食品売場と2階の非食品売場の2層構造だった安岡店に対し、綾羅木店はレジを1カ所に集約させたワンフロアで売場を展開している。通路幅がより広く確保され、買い回りしやすいレイアウトとなった。
綾羅木店での食品と非食品との面積比率は1:1で、食品売場が約7割を占める標準的な既存店に比べて非食品売場の比率が高いのが特徴だ。その理由は
1店まとめ買い時代を制する仕組みと取り組み「ディスカウンティング」 の新着記事
-
2020/11/13
一時は苦戦の米大手DSターゲット その復活の立役者「DX」で何が変わったのか? -
2020/11/13
コロナ禍でも絶好調のダラー・ゼネラルとダラー・ツリー
低所得者層がターゲットゆえに引き起こす社会問題とは? -
2020/11/13
アルディ、リドルだけじゃない!欧州の注目DS、ペニーとネットーを知っているか? -
2020/11/12
世界中の小売業が恐れる!最も価格競争力のあるHDS、アルディの最新戦略 -
2020/11/12
最強の小売業、ウォルマートが競合対策のディスカウントをもはや必要としなくなった理由 -
2020/11/12
アルディを猛追するHDSのリドル デジタルテクノロジーで差別化を図る!
この特集の一覧はこちら [14記事]
イオン・グループ,マックスバリュ西日本,ザ・ビッグの記事ランキング
- 2024-10-30節約志向にどう対処するか? ライフ、イオン、セブンの施策とは
- 2024-10-25週刊スーパーマーケットニュース コープさっぽろ、江別市の鉄道林跡地へ来年6月に出店を計画
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2024-11-09ロピア上陸で再編機運高まる北海道食品流通 炙り出される“非3極”の苦悩
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2024-08-26イオン、ヨーカ堂も本気、模倣困難な水準へ進化する総菜のSPA化!
- 2024-09-3048兆円市場の各社のシェアがわかる!食品小売、市場規模&占有率2024!
- 2024-04-10国内2強、イオンとセブン&アイの流通相関図2024 大型再編、M&A、事業撤退相次ぐ
- 2023-03-30セブン&アイVSイオン 「時価総額」から読み解く実力と今後
関連記事ランキング
- 2024-10-30節約志向にどう対処するか? ライフ、イオン、セブンの施策とは
- 2024-11-20四国2号店は大型店!メガセンタートライアル善通寺店の売場づくり解説
- 2024-10-25週刊スーパーマーケットニュース コープさっぽろ、江別市の鉄道林跡地へ来年6月に出店を計画
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2024-11-09ロピア上陸で再編機運高まる北海道食品流通 炙り出される“非3極”の苦悩
- 2024-11-14本当にコストコで節約はできるのか? 現役主婦から見たコストコ商品の評価_過去反響シリーズ
- 2024-10-23値上げラッシュのなか主婦が思わずリピート買いするオーケーの留型商品とは_過去反響シリーズ
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2020-11-10ムダを徹底的に省くことで低価格を実現する愛知の隠れた有力スーパーカネスエ、強さの秘密を分析
関連キーワードの記事を探す
週刊スーパーマーケットニュース コープさっぽろ、江別市の鉄道林跡地へ来年6月に出店を計画
節約志向にどう対処するか? ライフ、イオン、セブンの施策とは
四国2号店は大型店!メガセンタートライアル善通寺店の売場づくり解説
節約志向でドンキなど絶好調!ディスカウントストア売上ランキング2024
統合新会社フジの成長戦略は地域に根差したMDとフード&ドラッグ!その手法は
中・四国の小売業ランキング2022 フジとMV西日本がついに経営統合で勢力図どう変わる?
SCM確立でローコスト・オペレーションを実現=マックスバリュ西日本 岩本隆雄社長
フジ、マックスバリュ西日本との統合で持ち株会社化、イオンが株式過半保有