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カインズ高家正行社長が語る!コロナ禍でのホームセンターの役割

新型コロナウイルスの感染拡大で生活や社会が大きく変わるなか、改めてホームセンター(HC)の社会的使命が問われた。カインズ(埼玉県)の高家正行社長に、HCの使命、コロナ禍を経た社会やHCをめぐる環境の変化、コロナ禍が浮き彫りにしたHCの課題などについて聞いた。※インタビューは5月15日にオンラインにて実施

カインズ高家正行社長(インタビューは5月15日にオンラインにて実施)

いち早く
営業継続を宣言

──新型コロナウイルスの感染拡大で、全国に緊急事態宣言が発令され、小売業にも休業要請が広がるなど、ここ数カ月は小売業の環境は激変しました。

高家 年初の段階では、全国に緊急事態宣言が出されるほど新型コロナウイルスが社会に影響を与えるとは正直想像していなかった。今の時点では、メンバーの安全確保を前提に会社をどう舵取りするかが最重要課題で、つねにそのときどきの状況を判断して朝令暮改も辞さずに、スピード感を持って対応することに努めている。

──HCは、社会のインフラとして市民生活の維持に欠かせない反面、そこで働く従業員は、つねに接客などで感染のリスクを感じています。さらに、顧客の安全にも配慮しなければなりません。HCの使命についてはどう考えていますか。

高家 当初、東京都がHCを休業要請対象の施設とする案が報道された。休業要請対象をめぐって、情報が錯綜するなか、当社はいち早く営業継続すると表明した。他社からも「カインズさんが早く宣言してくれてよかった」という声があった。

 HCは社会のインフラとして、これまで東日本大震災のような大きな災害時や、昨年の台風19号の時なども、人々の“日常のくらし”を支え続けてきた。だから、今回もカインズとしては社会のインフラとして営業を継続すると決断した。その時点から当社のスタンスはまったくぶれていない。

社会のインフラとして
使命をまっとう

──営業継続すると決めるまでに、社内でどういう経緯があったのですか。

高家 その頃には、すでに土屋裕雅会長と僕もメンバーに入った新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、幹部を交えて「カインズは何のために存在しているのか」という、より本質的な議論をした。

 その上で、ここはカインズとしての考え方をきちんと表明すべきだとして、営業継続宣言をした。ここでHCの使命をまっとうしないで、いつやるのかという気持ちがあった。

 カインズは、水、トイレットペーパーなど、生活必需品のほか、娯楽関連商品まで幅広い商品を売っているので、営業を継続していく中では、多くのお客様が来店することに、一部否定的な意見もあったのは事実。しかし、例えばバーベキューセットを買いに来るお客様がいて、一見すると“こんな時に”と批判を受けるが、「自粛生活のなかで、ささやかな楽しみとして自宅の庭で家族でバーベキューをするかもしれない。そのお客様にとっての“日常のくらし”を一概に非難できない。それをレジャーだと疑うよりも、お客さまを信じよう」とメンバーに話した。その上で、メンバーとお客さまの安全を守るために、お客さまにはソーシャルディスタンシングの徹底、少人数での来店やマスク着用など様々なご協力をお願いしてきている。

※カインズがとった具体的な対応策や、消費動向の変化、今後の見通しなどついて高家社長が語るインタビューの続きは「ダイヤモンド・ホームセンター6月15日号」にてお読みいただけます。

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