一流コンサルタントが教える、コロナ解決のための「問題解決思考」と解決策
「問題解決思考」から導き出した、解決策のビッグピクチャー
まとめよう。
- 感染元を封じ込め、感染者と非感染者を「見える化する」こと、感染拡大による恐怖から、経済困窮者に金をばらまくことの二つについては、前者が原因であり、後者が現象である。原因を根治させねば、現象に対する対処療法はモグラたたきとなる
- したがって、全国民に対して「自宅待機」を行い戦時中のように徹底して国民の動きを止める。ただし、「1ヶ月間だけだ」と期限をはっきりさせる。また、経済支援は天文学的数字になるのだから、せこい金額でなく1ヶ月分のロックダウンコストは国が全額負担する
- 1ヶ月の間に、感染者と非感染者がハッキリしたあと、感染者は隔離し人類の英知を絞って治療する。また、街を徹底して消毒し、48時間まって、非感染者は通常生活に戻って段階的に経済活動を再開する。
もちろん、この提案は初期的なビッグピクチャーであり、各論は大いにつめる必要がある。例えば、潜伏期間が1ヶ月以上のケースもないとはいえない、などであるが、こうした批判は、このビッグピクチャーの根幹を揺るがすものではない。問題解決に不慣れなものがこうした討議に加わると、大きなフレームワークと各論を混同し各論が解決しないからといって、なぜかビッグピクチャーの書き換えに戻るなど議論が収束しないことにある。
再建・再生時には、リーダーは独裁者でなければならない。こういう批判に対しては、1ヶ月でダメなら2ヶ月にすればよいし、例えば、ガン治療のように、最初の1年は3ヶ月毎に1クール、2クールなどのように、ロックダウンを繰り返すなど、建設的な意見をいう人間をあつめて一気にやることだ。
国民が不安なのは、あいまいな巣ごもりの「期限が見えないこと」と、「経済対策が的外れ」(職を失っているのに、一時金しかでない)だからである。私は、早急に産業別に問題解決に慣れた人間を集め、すみやかに、上記のような骨太なステップをベースにした実行計画をつくり行動に起こすべきだ。現場をしらない人間の「全国一律」策ほど怖いものはない。
プロフィール
河合 拓(事業再生コンサルタント/ターンアラウンドマネージャー)
ブランド再生、マーケティング戦略など実績多数。国内外のプライベートエクイティファンドに対しての投資アドバイザリ業務、事業評価(ビジネスデューディリジェンス)、事業提携交渉支援、M&A戦略、製品市場戦略など経験豊富。百貨店向けプライベートブランド開発では同社のPBを最高益につなげ、大手レストランチェーン、GMS再生などの実績も多数。東証一部上場企業の社外取締役(~2016年5月まで)