臨時ボーナスにソーシャル・ディスタンス…コロナと戦う!イオン、ライフなど食品小売業の対策最前線
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されてから1週間以上が経過した。食品や日用品、医薬品などの生活必需品を取り扱う食品スーパー(SM)やドラッグストア(DgS)などの小売店は営業を継続しているが、これら店舗にお客が殺到し、感染拡大の温床とされる「3密」(密閉・密集・密接)となってしまう事例が発生している。一部の企業では、現場で奮闘している従業員に臨時ボーナスを支給したり、日本より感染が深刻化している欧米ではすでに実施されている「ソーシャル・ディスタンス」に取り組んだりする動きもみられるようになった。
従業員を労い、ボーナスを支給する企業が増加
SM最大手のライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)は、新型コロナウイルスの感染拡大によって心理的な負担が増えている従業員に対して総額3億円の「緊急特別感謝金」を支給することを発表した。対象となるのは現場で働く正社員やパート・アルバイト約4万人。3月時点でライフで働いていたことが条件で、4月分の給与に上乗せされる予定だ。
国内小売最大手のイオン(千葉県/吉田昭夫社長)も、従業員へ特別手当を支給する方針を明らかにしている。支給の対象は、国が緊急事態宣言を出した7都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県)のSMや物流施設、食材加工センターなどで半年以上働くパート・アルバイトの10数万人。グループ各社の5月分の給与に合わせて支給される計画で、その総額は10数億円になる見通しだ。
そのほか、DgS企業のスギホールディングス(愛知県/杉浦克典社長)や、中国・四国地方を中心にSMを展開するハローズ(広島県/佐藤利行社長)など、一部ではなくすべての従業員に臨時ボーナスを支給する企業も現れ始めた。