GUがアンダーカバーとの新ライン「UG」を始めるスゴいねらいと効果

ユニクロとGUをプラットフォームにすることで解決できることとは

　「＋J」に関して言えば、09年に開始して11年年までコレクションが発表され、その後約9年にわたって沈黙（休止）したのち、20年に約9年ぶりに復活するも21年秋冬シーズンで終了。25年1月からは復刻というかたちで限られた過去のアイテムを発売している。このように、＋Jのコラボコレクションは安定していない、というよりも顧客の立場からすると神出鬼没で予想できない。20年に復活した際は、価格が一気に上がり、奪い合いになるなど、顧客からすれば不可解ともいえる動きをしているのも事実だ。

　しかし、これらはすべて「ユニクロプラットフォーム」「GUプラットフォーム」の実験であり、戦略の検証、実践だと捉えればすべて説明がつく。今回のGU とアンダーカバーによる「UG」も、ユニクロではリーチできないファッショニスタのなかでも特定の層に訴求するために出したと考えれば、トレンドが変わるリスクもブランドの老人化リスクもすべて解決できる。

　消費者は、ベーシックなプラットフォームでしっかり作り上げられたハイコスパのユニクロでその品質を味わいつつ、GUで最も旬なファッションアイテムをハイコスパで選べるになる。

　また、ＧＵがこれからめざさなければならない「3000億円のその先の売上規模」をねらうための素地をつくることもできる。

　以上が、私が分析するGUとアンダーカバーのコラボの裏にある戦略である、おそらく「UG」 が世に出るとき、店に多くの人が詰め寄る可能性が高いので、同ブランドが欲しい方は発売日を見逃さず手に入れてほしい。それにしても、ファーストリテイリングおそるべし、である。

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