北陸復興、シェアニーズ対応、環境負荷低減……多様化進むイオンの“恵方巻戦略”
予約販売の強化で環境負荷低減につなげる
こうした消費者ニーズに応えた品揃えの拡充に加えて、イオンは予約販売により力を入れる。24年12月18日から始まった予約受付では、1月10日までの早期予約に対して5%割引を適用し、お客に早期の注文を促した。事前に一定数の注文を確定することで、効率的な生産計画の策定を図り、廃棄ロス削減につなげるねらいだ。予約注文は店頭のほか、ネットスーパーやイオンのネット予約による店頭受取システム「e予約」でも受け付け、利便性を向上させている。
また、前述の「1/3サイズ」「ハーフサイズ」など食べきりサイズの導入も、フードロス削減を見据えた取り組みの一環だ。他方、昨今続く原材料費の高騰という課題に対しては、「事前に計画的な調達を行い、コスト上昇の影響を抑えている」と金子氏は説明する。具体的には、主要原材料を中心に長期契約に基づいた仕入れ価格の安定化を図っているという。
北陸復興をはじめとする地域活性化、家族や友人同士が集うシーンへの対応、環境負荷軽減など、さまざまな切り口の商品を展開するイオンの恵方巻。その多様なラインアップと価格帯の幅広さで、競合との差別化を図りたい考えだ。