事業再生のプロから「再生不可能」と判断される経営者の特徴とは
自らの凋落原因を因果関係で語れないタイプの経営者では難しい。今後取り得る戦略に対しても、具体性のない夢物語を語るタイプか、過去の延長線上で「do more better」 (局所的な改善案) を繰り返すタイプのどちらかであればダメだ。再生の可能性はないと判断する。
「ビジネスデューディリジェンス」といえば格好良いが、実際は「誰もが分かっているが口にできないこと」が答えで、いかにその事実を納得度をもって、かつ、戦犯のプライドを傷つけずに語ることができるかどうか、ここが、ポイントなのである。
生き残るためのシンプルかつ唯一の方法
さらに、精緻な事業の評価を通し再建計画を立てる。投下される資本は、用途をしっかり握る。
負け戦を繰り返してきた経営者に自由になる資金を与えても、穴の空いたコップに水を注ぎ込むようなものだ。経営者の首に鈴を付けるかシステムそのものを見直しするなど、ガバナンスと意思決定の仕組みも確認しておく必要がある。
今まで「思う、感じる」という「感覚」経営を続けてきた経営体質の抜本的な改革が始まるわけだ。
アパレル業界の再編は、今後ますます増えてゆくだろう。世界競争から隔絶され、我が世の春を謳歌してきたアパレルに世界戦が待ち受けている。
生き残るための施策はただ一つ。それは、「顧客にとって何がよいか」という質問を徹底的に自ら問いかけ、恒常的に顧客に価値を提供し続けることだ。
日本からグローバルに通用するブランドが育つことを切に祈っている者として、今一度原点回帰を世に問いたい。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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