[シカゴ 6日 ロイター] – 武田薬品工業が開発中のデング熱ワクチン「TAK─003」の後期臨床試験で、全体として高い効果が確認されたことが、専門誌で発表された研究結果で分かった。ただ、1種類のデングウイルスについては、感染歴のない人で十分な効果が確認されなかった。
「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で報告された臨床第3相試験の結果によると、小児と10代の若年被験者を対象とした試験で、TAK─003は摂取後1年間の予防効果が80.2%となった。
世界初のデング熱ワクチン承認薬である仏サノフィの「デングワクシア」は、2つの後期臨床試験で摂取後1年間の効果が全体として59.2%だった。
TAK─003の試験では、同薬のベースとなっている2型デングウイルスで97.7%の予防効果が確認された。2型については感染歴のある人とない人で効果に差は見られなかった。1型ウイルスに対しては、感染歴のない人で効果がやや低下した。
一方、暫定的な分析結果では、3型ウイルスについては感染歴のない人で十分な予防効果がなかった可能性が示唆された。4型ウイルスに関しては、効果を判断する十分な証拠が得られなかったとした。
デング熱ワクチンを巡っては、サノフィのデングワクシアを感染歴のない子どもが接種を受けて感染した場合、重症化するリスクが2017年に確認された。