棋聖・藤沢秀行と武藤嘉紀と白鳳とハンズマンに共通する勝つための流儀

千田直哉
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“Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration.”(天才は1%のひらめきと99%の努力)と残したのは、発明王のトーマス・エジソンだ。汗水を垂らし、努力することを野暮ったいとする風潮が定着したような感があるが、ひたむきに泥臭く修練を重ねることの大事さは、次の世代にも確実に受け継がれているようだ。 

インスタ栄えする売場俯瞰。約20年前からのスタイル
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強烈な努力が必要だ

  名誉棋聖の故藤沢秀行さんは、豪放磊落な棋風や破天荒な私生活で知られた鬼才だ。

東京都台東区入谷の小野照崎神社には2009年に逝去した藤沢さんの記念碑があり、以下のように刻まれている。

碁は芸である

 碁には個性、生き方、

 その人間のすべてがあらわれる 

 無限に続く芸の道は厳しいが、 

 ひたむきに歩む者は幸せだ

 人間を高め、力をつけよ

 自分にしか打てない碁を探求せよ

 これだけは伝えたい

 強烈な努力が必要だ

 ただの努力じゃダメだ

 強烈な、強烈な努力だ

藤沢秀行
 大正一四年六月一四日生
 平成二一年五月八日逝

  

今の時代は他人の10倍の努力

藤沢さんのTVドキュメンタリー番組をみて、この言葉の存在を知り、感銘を受けたのは、サッカー日本代表の武藤嘉紀選手(27:英プレミアリーグ ニューカッスルFCユナイテッド)だ。

そののち、武藤選手は座右の銘を「強烈な努力」とした。

人の何倍も練習するところに活路が開けると今も自分を鼓舞し続けている。

《昭和の大横綱》大鵬の史上最多優勝回数32回を42回に更新している《平成~令和の大横綱》白鳳(34)も同じような話をしていたので驚いた。

「(最多優勝するには)一つの努力ではダメだ。たくさんの努力があってこそ頂点に立てる」と力を込めた。

奥行き感を出すために通路側から光の波長の長い順番に商品を並べる
奥行き感を出すために通路側から光の波長の長い順番に商品を並べる

流通業界でも努力の大切さを力説する経営者がいる。

宮崎県都城市に本部を構え、九州に11店舗を展開する個性的なホームセンター企業、ハンズマンの大薗誠司社長(50)だ。

 持論は「他人の2倍から3倍の努力では追いつかれる。しかし5倍から6倍努力すれば、追いつかれない」というもの――だった。

 だが先週、取材のために久しぶりにうかがうと、「今の時代は56倍じゃだめ。10倍だね」と笑った。

 20196月期の売上高は312億円(対前期比0.5%増)とHC業界では25位と中堅に位置するが、営業利益は21億円(上場HC企業22社中12位)、経常利益は23億円(同12位)と上位だ。

 驚くべきは効率性でROA(総資産経常利益率)は12.8%(同1位)、ROE(自己資本当期純利益率)は12.5%(同2位)だ。

 7年間新店がないなかで、売上を約30%上積みさせた裏側には、底知れぬ努力があるはずだ。2021年、九州エリアを飛び出して大阪府松原市に出店する。

 

※なお、『ダイヤモンド・ホームセンター』誌(20191015日号)では、ハンズマンの企業特集を掲載します。お楽しみに。

 

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