原信・ナルス、TQM活動を生かした全社一丸のサステナブル経営とは

アクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長:以下、アクシアル)傘下の食品スーパー(SM)、原信(同)とナルス(同)は、20年以上も前から環境マネジメントの国際認証規格を取得するなど、高品質かつ地域社会に寄り添ったサステナビリティ活動を推進してきた。同社が「経営の根幹」と位置づける「TQM(TotalQuality Management:総合的品質管理)」活動を生かし、全従業員でこれを実践・継続している。
大きな刺激を受けた欧州小売業の視察
アクシアルのサステナビリティ活動の大きな契機は2000年、当時の原信が小売業界に先駆けて「ISO14001」の認証を取得したことだ(ナルスは06年に原信と経営統合した後、08年に取得)。「ISO14001」とは環境マネジメントの国際認証規格で、企業活動における環境リスクを分析し、それを低減するための継続的な仕組み構築のためのガイドラインだ。

当時、日本のSMではほとんど前例がなく、取得までに1年ほどを費やしたという。「一つひとつが手探りで、認証機関を探すのにも苦労したと聞いている」(アクシアルTQM・CSR部部長の水島典子氏)。
同認証は取得して終わりではない。その仕組みが維持されているか毎年、各部署に対して認証機関による審査があり、3年ごとに更新の手間とコストも発生する。
それでも認証取得をめざす動機となったのが、当時、経営陣が欧州の小売業を視察し、先進的な環境活動を目の当たりにしたことだ。原信も1990年代に入ってから環境対策を始めていたものの「小手先の環境対策では将来、通用しなくなる」と痛感したという。そこで99年に環境マネジメント担当を設置し「ISO14001」の認証取得に動き出した。
こうして本格的なサステナビリティ活動に乗り出した原信の大きな支えになったというのが「TQM」だ。トヨタ自動車をはじめとした製造業を中心に採用されている経営管理手法で、原信は80年代から導入。現在では「経営の根幹」と位置づけ、グループ全体で取り組んでいる。
具体的にアクシアルでは、
サステナブルリテイリング の新着記事
-
2022/08/31
2030年までにゼロエミッションめざす欧州・ケスコの取り組みとは -
2022/08/31
サステナブルと業績は相関する!データで示す小売業のSDGs経営の実践とは -
2022/08/31
利益とも直結!テック企業と連携で破棄ロス削減に邁進する米国小売最新事情 -
2022/08/30
生鮮のサステナブルなサプライチェーンを構築するためにいま、すべきこととは -
2022/08/30
サプライチェーン全体で持続可能性を進める日本アクセスのSDGs戦略とは -
2022/08/30
小売業巻き込み、食品トレーのリサイクル、再生トレーの普及進めるエフピコとは
この特集の一覧はこちら [13記事]
アクシアルリテイリング,原信ナルスの記事ランキング
- 2025-11-10週刊スーパーマーケットニュース イオンリテール、精肉売場新モデル「MEAT PARK」展開
- 2025-09-12中部地方の小売売上高ランキング2025 有力スーパー軒並み好調!
- 2024-03-27原信・ナルスの社会課題起点型PBハナウェル、始動から1年の成果とねらいとは
- 2025-11-21【動画】ここでもロピア旋風!「第2次新潟戦争」の行方は=第4回流通クロストークPart2
- 2013-07-22規模の利益を生み出すため、機能と人材を強化する=原信ナルスHD 原 和彦 社長
- 2022-03-08ストア・オブ・ザ・イヤー11〜20位を一挙に紹介!実力派企業と新興勢力がひしめく!
- 2024-07-08週刊スーパーマーケットニュース 「イトーヨーカドー」「ヨーク」、食料品・日用品100品目の価格を見直し
- 2024-11-15週刊スーパーマーケットニュース アオキスーパー、「レジ専用イス」を全店に設置が完了
- 2025-03-10ストアオブザイヤー2025、11~15位を発表! 東急ストア、原信などランクイン
- 2025-03-26原信の新店「阿賀野店」 最新MD投入した総菜売場をレポート!
関連記事ランキング
- 2025-11-21速報!バロー関東1号店「横浜下永谷店」 オープン日の模様を徹底レポート
- 2025-11-21ベルクのディスカウントフォーマット「クルベ」、開店から2年超で見えた変化と進化
- 2025-11-26気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
- 2025-11-19上期絶好調のバローHD 関東進出直前、小池社長が明かした「攻め手」
- 2025-11-25オープンから2年超のクルベ その至近で競合するヤオコー、2店舗の関係から見えてきたこと
- 2025-11-21楽天撤退、ライフ参入 センター型ネットスーパー激動期へ
- 2025-11-17利益面に明暗……ライフ、U.S.M.H、アークスの中間決算を解説
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
- 2025-11-22圧倒的集客力で激戦地を制圧!? 茨城タイヨーの「ビッグハウス」を大解剖!
- 2025-11-11意外にも”共存共栄”? 関西随一の激戦区・西宮の2エリアを徹底視察!
関連キーワードの記事を探す
気づけば5店舗……クスリのアオキが出店増やす「スーパーのアオキ」の全容
「ドラモリ」が価格競争の台風の目に? フード&ドラッグ激戦区・宮城県名取市を現地調査
【動画】ここでもロピア旋風!「第2次新潟戦争」の行方は=第4回流通クロストークPart2
週刊スーパーマーケットニュース イオンリテール、精肉売場新モデル「MEAT PARK」展開
「原信美沢店」が改装オープン レイアウト大刷新した総菜売場を速報!
中部地方の小売売上高ランキング2025 有力スーパー軒並み好調!





前の記事
