2024年度は増収増益のアクシアル、今期減益予想の理由とは?
アクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長・CEO)は6月5日、2025年3月期の通期決算を発表した。同社はインフレ、原料価格高騰などの逆風の中、質を追求した商品づくりやサービスの向上に取り組み、2期連続の増収増益を達成。売上高・経常利益・当期純利益については過去最高を更新した。一方で今期(26年3月期)は減益予想とした。その理由とは。

原材料高騰に負けず、「おいしさ」を追求した商品開発を志向
アクシアル リテイリングの25年3月期通期決算(連結)は、売上高が対前期比4.3%増の2818億円、営業利益が同2.4%増の120億円、経常利益が同3.1%増の127億円、純利益が同21.0%増の90億円となり、前期に続き増収増益、売上高・経常利益・純利益は過去最高を達成した。
物価上昇が続く中、同社は25年3月期の方針に掲げた「おいしさがドまん中大作戦!」の下、「どうやってよりおいしくするか」を重視した商品開発に注力してきた。24年10月に移転完了した新本社では、店舗と同じ設備を整えたテストキッチン「MDラボ」や、家庭の台所を再現した「はらナルキッチン」を設置、開発環境の充実を進めてきた。
加えて、プライベートブランド(PB)商品を中心に、いつでも安い「パワープライス」、約1カ月で期間限定価格を打ち出す「ロングランプライス」の2軸でESLP(Everyday Same Low Price)政策を推進。消費者の生活防衛意識の高まりに対応した。
これらの取り組みが奏功し、客数・客単価はともに伸長、既存店売上高が3.2%増となり、過去最高の売上高に寄与した。
営業利益については、競合の動向などを踏まえた低値入の売価政策により、売上総利益率の低下がみられた。そのほか、積極的な賃上げや社会保険料の負担増による人件費の増加があったものの、経費コントロールを徹底したことにより過去2番目の実績となっている。
25年3月期中は、24年11月に富山県4店舗目かつ同社最西端の店舗となる「原信呉羽店」(富山県富山市)、25年3月に閉店した「原信水原店」の後継店舗として、同月に「原信阿賀野店」(新潟県阿賀野市)の計2店舗を新規出店。一方で新潟県内で3店舗を閉店したため、25年3月末時点での店舗数は前期から1店舗減の計130店舗となった。
そのほか、24年7月に「原信黒埼店」(新潟県新潟市)、同年9月に「ナルス北城店」(新潟県上越市)の計2店舗を改装している。
