東急ストア導入のデジタルポイントカードは何がスゴイか、LINEと進めるデータ戦略
産直品を運ぶ様子を
リアルタイムで配信
東急が「LINE」の活用でねらうのはこれだけではない。リアルタイムに情報が発信できるという「LINE」の特性を生かした販促にもチャレンジしている。
その代表例が、産直商品が店頭に届くまでの実況投稿だ。東急ストアでは毎月、その月に販売を強化する旬の産直品を決めて訴求している。その産直品が出荷され店舗に届くまでの様子を、「いま産地を出発しました」「飛行機に積んだところです」「〇〇ごろ、店舗に届きます」といったように、各店舗のLINE公式アカウント上でリアルタイム配信しているのだ。3月には栃木県から陸送便の「朝摘みイチゴ」、6月には空輸の「白エビ」などで実施。到着予定時間に合わせて来店されるお客さまも多く、すぐに商品が売り切れてしまうことも少なくないという。
こうした反応の高さから、当初は「LINE」での情報発信に躊躇していた店舗も、今ではほぼ全店が積極的に活用するようになっているという。
「現在、東急ストアのLINE公式アカウントは1つのアカウントに90店舗が紐づいており、全店舗向けの情報発信や、店舗ごとの情報発信に活用している。多い時には、全店舗向けの配信本数は月100本以上、個店向けの配信本数は200本を超える」(東急デジタルプラットフォーム・マーケティンググループ・マーケティング担当課長補佐の吉井光生氏)。個店向けの配信本数はまだ制限をしている状態だが、各店長からは「もっと本数を増やしたい」という要望があがっていて、新しい販促ツールとして浸透してきているという。
タイアップ企画や
クーポンも
メーカーとのタイアップ企画にもチャレンジしている。
たとえば、後に購入結果をデータで提供するという条件で、取引先メーカーにTOKYU POINTのポイント費用を負担頂き、それらの商品を「LINE」上で、注目のお買い得商品として訴求している。
このほか、紙によるダイレクトメールやクーポン、キャンペーン告知などについても、「スピードや画像による表現力(商品のシズル感)などの点から、LINEの方が優れている」として、LINEの活用を進めていく考えだ。