西友のOMO戦略とは デジタルマーケティングとネットスーパーで顧客体験を最適化する

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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西友大

2025年度までの中期経営計画で食品小売業界を牽引する「OMOリテーラー」をめざすと発表している西友(東京都/大久保恒夫社長)。本稿では、西友のOMO戦略における重要な施策と位置づけられているデジタルマーケティングとネットスーパーの取り組みを解説する。

店舗とネットスーパーのマルチジョブ化が進む

 西友は、25年度までの中期経営計画で「食品スーパー(SM)として業界ナンバーワンになる」、「ネットスーパーで業界ナンバーワンになる」という2つの野心的な目標を掲げ、革新的なOMOリテーラーをめざしている。

西友執行役員EC事業本部長兼経営企画本部長 武田正樹氏
執行役員EC事業本部長兼経営企画本部長 武田正樹氏

 その背景として、執行役員EC事業本部長兼経営企画本部長の武田正樹氏は「国内では人口減少や少子高齢化が進み、ECの利用者も増えている。コロナ禍で消費者の生活様式や購買行動も一変した」とし、「これまでの延長線上では、お客さまのニーズにきちんと応え、成長し続けることはできない」との危機感を示す。

 人口減少や少子高齢化に伴って食品小売市場が縮小し、今後、実店舗の売上高は減少傾向が見込まれる一方、食品のEC化率はまだ低く、コロナ禍を機にようやく拡大しはじめたばかりだ。武田氏は「食品のEC化率は年あたり0.5ポイント増のペースで上昇し、最大20%程度に達するだろう」と予測し、「ネットスーパーでナンバーワンになれば、企業成長において優位に立てる」と見通す。

 西友が掲げるOMOとは、「オンラインとオフラインを合わせて顧客体験を最適化すること」だ。実店舗とネットスーパーをきちんと融合させ、DX(デジタルトランスフォーメーション)によってデータやテクノロジーを活用して顧客それぞれのニーズに合わせ、よりよい顧客体験を提供していく。武田氏は「お客さまにとっては実店舗とネットスーパーという2つの購買チャネルがあるにすぎず、西友で買物することに変わりはない」とし、「実店舗とネットスーパーを別々に位置づけるのではなく、両者を合わせて顧客体験を豊かにし、お客さまに満足され、全体の売上高と収益性を上げるという発想にすることこそ、西友がめざすOMOだ」と語る。

西友のアプリの販促ブース

 西友では、「販売本部」が実店舗を運営する一方、ネットスーパーの運営を担う「EC事業本部」は

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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