コロナ禍で変わった 働く人の平日ランチ 「自炊」「1人で」が増加
「出前・デリバリー」の
予算は2年連続で増加
続いて、平日のランチの形態別の予算を聞いた(図2)。最も高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で、平均が1274円(前年1171円)。続いて、「外食店内での食事」も平均1104円(前年1103円)と平均1000円以上で、ともに2年連続で増額した。
他の食べ方に関しても、「小売店や飲食店で購入したもの」は平均554円(前年546円)、「持ち帰り専門店や宅配専門店からテイクアウトしたもの」は平均785円(前年741円)、最も安い「自炊、または家族等が作った食事・弁当」は平均368円(前年360円)と、すべての食べ方で予算は前年より増額している。
これについては、食材を中心とした物価の上昇も関係しているかもしれない。性年代別では、40代女性で「出前、デリバリーしたもの」がとくに高く、平均1477円。「小売店や飲食店で購入したもの」では、20代男性の平均予算が最も高く606円であった。
時短や効率のために
ランチを短時間で済ませる
最後に、働き方の変化に伴い、1年前と比べてランチの食べ方に変化があったかについても聞いた。すると、全体的にスコアは前年比で横ばいか減少の傾向で、コロナ禍における対応への慣れを感じる結果であった。
それでも「テレワークの増加」により、「1人でランチを食べることが増えた」(30.6%)、「自宅でランチを食べることが増えた」(24.2%)は全選択肢中1・2位と高く、3位は「仕事の時短や効率化を求められた」ため「1人でランチを食べることが増えた」(20.4%)となっており、この上位3回答が全体の2割以上のスコアとなっている。また、「1人でランチを食べることが増えた」はどの働き方の変化においても選択の上位の回答となっており、全体的に1人でのランチが増えていると考えられそうだ。
【調査概要】
インターネット調査、調査期間:2022年3月1日(火)~2022年3月9日(水)、有効回答数:5489
人(首都圏3244件、東海圏840件、関西圏1421件、各ウエィトバック後件数)、全国47都道府県に住む20〜69歳の男女、マクロミルモニター)
【執筆者】
稲垣昌宏(リクルート『ホットペッパーグルメ外食総研』上席研究員)
エイビーロード編集長、AB-ROAD.net編集長、エイビーロード・リサーチ・センター・センター長などを歴任し、2013年ホットペッパーグルメリサーチセンター・センター長に就任。市場調査などをベースに消費者動向から外食市場の動向を分析・予測する一方、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や地方創生に関わる活動も行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」
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