セブン-イレブン永松文彦社長が「コンビニは飽和していない」と考える証拠と伸びしろとは

聞き手:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
構成:太田 美和子
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コロナ禍で低空飛行が続いたものの足元では利用が回復傾向にあるセブン‐イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)。同社は店舗商品の配送サービスの拡大など、新たな成長施策を大きく打ち出し始めている。直近の施策と今後の成長戦略を永松文彦社長に聞いた。

フェア実施で既存店売上がコロナ前を上回る!

──コロナ禍は3年目を迎えました。足元では商品原価が高騰しています。コンビニエンスストア(CVS)を取り巻く環境をどのようにとらえていますか。

セブン‐イレブン・ジャパン代表取締役社長 永松文彦
永松文彦(ながまつ・ふみひこ)
●1957年東京都生まれ。80年3月セブン-イレブン・ジャパン入社。2005年に執行役員業務本部長、12年執行役員オペレーション本部ゾーンマネジャーを経て14年3月にニッセンホールディングス代表取締役副社長。17年5月、セブン&アイ・ホールディングス執行役員人事企画部シニアオフィサー、同年12月、セブン-イレブン・ジャパン執行役員人事本部長、18年3月、セブン&アイ・ホールディングス執行役員人事企画本部長。19年3月、セブン-イレブン・ジャパン取締役執行役員副社長を経て同年4月より現職。

永松 コロナ禍において、人流の変化がビジネスに最も大きな影響を与えました。何度も感染拡大の波が起こるなかで、お客さまは今まで以上に“おうち時間”を大切にされていると強く認識しています。クリスマス・イヴの当たる2021年12月24日のセブン‐イレブン日販が、00年以降、最高を記録した事実からもそれを実感しました。

 そこで、22年1月から“おうち時間”を楽しんでいただける商品を取り揃えたフェアを毎月開催することにしました。月を追うごとにフェアの売上高だけでなく総売上高も上昇し、3月、4月ともに、既存店の平均日販が前年同月だけでなく19年同月も上回っています。

 商品原価の高騰については、できることならば売価を上げないで対応できることが望ましいのですが、適正な利益を得るには値上げせざるを得ない局面もあり得ます。そうしたなかでもセブン‐イレブンでは「価格を上回る価値の提供」を大切に考えていますので、商品の改良・改善などによって付加価値を高めたうえで売価を見直すつもりです。

──コロナ禍で苦戦した業種業態では19年の売上にまだ回復できていない企業も少なくありません。売上増をけん引した

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聞き手

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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