平和堂最新決算、ネットスーパーに小型店開発… 積極投資の内訳
過疎化エリアに展開する
小型店モデルを開発中
特筆したいのは平松社長が語った、今後の店舗開発の方針だ。都市型300坪モデルの標準化、100~150坪の小型店の開発を進めていきたい方針だ。
「今後も現在商勢圏とする2府7県へ出店を行う、大阪・京阪神、愛知の大都市圏においては場所も限られ、家賃も高い。こうした環境下で戦うには、都市型300坪モデルが必要で、『西淀川千舟店』(大阪府大阪市)で標準化の実験を実施している」(平松社長)という。
小型店はドミナントエリアのすき間を埋めるだけでなく、過疎化が進行するエリアに対応できるモデルも開発したい考えで、23年2月期中に実験店舗を出店する計画だ。
2023年2月期の連結業績予想は、営業収益が4090億円、営業利益が141億円、経常利益が159億円、親会社株主に帰属する当期純利益が93億円を見込む。
23年2月期から「収益認識に関する会計基準」を採用することで、営業収益が連結で同370億円減、単体で250億円の減額になるが、旧基準との比較では順に1.4%増、2.2%増となる。営業利益は12億円の減益予想だが、光熱費の増加と、設備投資に伴う一時費用、減価償却費の影響が大きい。
平和堂の商勢圏には価格訴求で勢いのあるロピア(神奈川県)が進出するなど、商勢圏内の競合環境に変化が生じている。価格競争が激しくなるなか平松社長は「平和堂はハレの日や旬、少しいいものを含めた総合的な品揃えを強みとする。価値と価格のバランスをとらえた品揃えを徹底していきたい」と語っている。