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完全失業率、9月3.0%で横ばい 雇用情勢は持ちこたえ

都内を歩く人
10月30日、総務省が発表した9月の完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月(3.0%)から横ばいだった。都内で20日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 30日 ロイター] – 総務省が30日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は3.0%だった。新型コロナウイルスによる影響は残るものの前月から横ばいとなり、悪化が続いてきた雇用情勢はいったん持ちこたえている。

9月の完全失業者数は210万人。前年同月に比べて42万人増加で8カ月連続で悪化した。ただ、季節調整値の前月比では1万人の増加にとどまっており、全体の規模感を考慮すると、ほぼ横ばいとの評価。

就業者数は前年同月比79万人減の6689万人で、6カ月連続の減少。業種別では、宿泊・飲食サービス業が48万人、製造業が39万人それぞれ減少した。宿泊・飲食業は前年の同時期に増加した反動もあるといい、実数では「ここ数カ月は持ち直しの動きが出ている」(総務省の担当者)という。

9月の休業者は197万人と、8月の216万人から減少。20年2月以来7カ月ぶりに200万人を下回る水準となった。

男女別の完全失業率は、男性が3.2%と前月に比べて0.2ポイント上昇。女性は2.7%と0.2ポイント低下した。女性の完全失業率は7月と同水準で「落ちたというわけではなく、前月から伸びていないという状況」(同)という。

年齢別完全失業率は25━34歳が4.8%と最も高く、65歳以上が2.1%と最も低かった。前月との比較では25━34歳の失業率が0.5ポイント上昇した。

求職期間は長期化の可能性

厚生労働省が発表した9月の有効求人倍率は1.03倍で前月から0.01ポイント低下。2013年12月以来6年9カ月ぶりの低水準となった。

企業側の求人状況を示す月間有効求人数(季節調整値)が前月に比べ0.1%減となった一方、月間有効求職者数(同)が0.8%増加した。コロナ下で企業の採用が引き続き慎重スタンスで、求職側の活動期間も長期化しているもよう。

ロイターの事前予測調査では完全失業率が3.1%、有効求人倍率は1.04倍と予想されていた。