落語家・立川志ら乃のスーパーマーケット徒然草 第14回 私が「浅漬け野郎」になるまでの軌跡

立川志ら乃(落語家)
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知らなかった…世の中では想像以上にいろいろなものが漬けられているのだ…

 この時点では、「無印良品だからぬか床なんて変わった商品を取り扱っているんだよな。普通のスーパーにはないんだろうな…」と思っていた私。しかし後日、「いや!めちゃくちゃある!!」と、いつも足を運んでいるーパーにさまざまなぬか床が販売されていることに気付かされるのです。

 1キロのぬか床って結構冷蔵庫がパンパンになるなぁと思っていたら、そういう声に応えたものなのでしょう、500グラムのぬか床などもたくさんあるのです。「思っている以上に私の知らないところでさまざまなものが漬けられているのだ…」としばし呆然としました。知らないこと多すぎ。

 しかしそのまま肩を落として帰るわけにはいかないと、今まで見落としていた棚を注意深く見ることに。そして私は「浅漬け」に辿り着くのです。

 液体タイプのものよりも、「塩的」なものを振りかけるほうが手軽なのでいろいろ試し始めた頃、豊洲の「サカガミ」というスーパーで出会った「海鮮浅漬けの素」が旨すぎてひっくり返りそうになるのです。「これどこが出してるの?」と聞いてくるくらい、かみさんにも好評。

豊洲のナカガミで運命の出会いを果たした「海鮮浅漬けの素」
豊洲のナカガミで運命の出会いを果たした「海鮮浅漬けの素」

 商品の裏面を見ると「販売者 株式会社ナチュラル+UT」とあったので、とりあえず検索すると化粧品会社のサイトが出て来たのでこれは違うなと思い、住所を足して検索すると…出て来た!!ちなみに検索ワードは「株式会社ナチュラル 小岩」。 

 どうやらここの店主が手掛けた商品らしいので、さっそく小岩の店舗へ。「この商品バカうま!」という旨を店主に伝え、ここで開発したのか尋ねると、「四国にある会社が売り込みに来て、取り扱いを始めた」とのこと。後日ネットで調べたのですが、おそらく愛媛のとある食品メーカーらしいということがわかっています。

 この日は、昨年発売された新商品「海鮮七味漬けの素」とともに浅漬けの素を購入。そして「もしかしたら『だし塩』みたいなやつでも浅漬けってできるのかも?」といろんな塩でお試し中の日々。かみさんのぬか床を猛烈批判していた男がこんなにも早く「浅漬け野郎」になるとは。

 そんなこんなで現在、ぬか漬け&浅漬けをかみさんと二人で楽しんでおります。自分の視野を広げるには他人の視野を覗いてみるのが手っ取り早いし、とても有効なことを実感しております。そしてこのシリーズは現在も続けているので、機会があればこの連載で続報を記したいと思います。

 立川志ら乃

立川志ら乃

1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。

Twitter:@tatekawashirano

ブログ:https://ameblo.jp/st-blog/

 

 

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