【ワシントン時事】米労働省が6日発表した11月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比22万7000人増だった。大型ハリケーンと航空機大手ボーイングのストライキの影響で低い伸びだった10月(3万6000人増)から急回復。市場予想(20万人増)を上回り、米国の雇用情勢が底堅さを保っていることが示された。
失業率は4.2%と、前月から0.1ポイント悪化した。インフレ動向に影響する平均時給は前年同月比4.0%上昇で、伸び率は前月から変わらず。
業種別の就業者数は、輸送関連の製造業が3万2000人増。前月は落ち込んだが、ストからの労働者の職場復帰を反映した。レジャー・接客業も5万3000人増と、2000人増にとどまった前月から大きく拡大した。
米連邦準備制度理事会(FRB)は9月、インフレ鈍化を踏まえ、金融緩和に政策転換。強い景気と雇用を維持するため、2会合連続の利下げに踏み切った。
ただ、最近の指標でインフレ率の若干の上振れや労働市場の堅調さが確認されており、17、18両日に開催する次回の金融政策会合では、追加利下げの是非を慎重に検討する方針だ。
◇米雇用統計概要
10月 11月
失業率 4.1% 4.2%
非農業部門就業者数 3.6万人 22.7万人
民間部門 ▲0.2万人 19.4万人
物品生産部門 ▲4.4万人 3.4万人
サービス部門 4.2万人 16.0万人
政府部門 3.8万人 3.3万人
労働時間(週平均) 34.2時間 34.3時間
平均時給 35.48ドル 35.61ドル
平均時給伸び 4.0% 4.0%
労働参加率 62.6% 62.5%
U6失業率 7.7% 7.8%
長期失業者(半年以上) 160.8万人 166.1万人
経済的理由でのパート勤務 455.7万人 445.7万人
【注】▲は減少。「U6失業率」は完全失業者、正社員を希望しているパート労働者、働く意欲はあるが職探しをやめた人を加味した広義の失業率。