【ワシントン時事】米労働省が1日発表した10月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比1万2000人増だった。伸びは9月(22万3000人増、改定)から急減速。コロナ禍でマイナスを記録した2020年12月以来3年10カ月ぶりの低さだった。市場予想(11万3000人増)も大きく下回った。
航空機大手ボーイングのストライキや南部を襲った大型ハリケーン「ヘリーン」「ミルトン」の影響が出たとみられる。失業率は4.1%と、前月から変わらず。
業種別の就業者数は、製造業が4万6000人減と、ストの影響が顕著に出た。レジャー・接客業も4000人減。医療関連は5万2300人増だった。
連邦準備制度理事会(FRB)はインフレの継続的な鈍化を踏まえ、9月に4年半ぶりの利下げを決定。経済と雇用の強さを維持するため、下げ幅を通常の2倍となる0.5%とした。大統領選直後となる今月6、7日の次回金融政策会合で、経済情勢を精査し、追加利下げを決める見通しだ。