米飲食店、ロボ活用模索=効率改善で満足度向上狙う
【ニューヨーク時事】米外食業界でIT技術を駆使したロボットの活用を模索する動きが出ている。客の注文に応じて飲み物を入れるカフェのバリスタ、食事の下ごしらえ担当など役割はさまざま。単純作業を引き受けてもらうことで従業員の仕事の効率を改善し、顧客満足度を高める狙いがある。
「人をサポートするのが役割」。ロボットがバリスタを務めるカフェ「ボットバー・コーヒー」の広報担当者は、ロボットは客を楽しませ、単純労働を担当する存在であり、雇用は奪わないと話す。
ニューヨークで5月に試験的な営業を始めたカフェでは、卵形で2本の腕を備えたロボット「アダム」が、壁のタッチスクリーンからの注文を受けると、コーヒーメーカーなどで飲み物を入れ、カウンター上に置く。音楽に合わせて腕を動かすことも可能で、子供の誕生日会など、あらゆる活用方法を検討している。
メキシコ料理で重要なアボカドのソース。米ファストフード大手チポトレ・メキシカン・グリルは7月、アボカドの種を取り、皮をむくロボットを公開した。将来的にソースの準備時間を約半分にしたい方針で、「従業員が接客やもてなしに集中する」(同社)ことを目指す。
米同業大手ウェンディーズは今年、店のキッチンと駐車場の商品納入ボックスをつなぐ配送システムを試験運用すると発表した。ロボットが輸送を担当し、客は指示された駐車スペースで車から降りずに商品を受け取れる。車社会の米国で速やかな持ち帰りを望む客に喜ばれそうなサービスだ。