セブン&アイ・ホールディングス傘下で売却方針が決まっている百貨店そごう・西武の労働組合が、31日にも西武池袋本店(東京都豊島区)でストライキを実施する検討に入ったことが25日、分かった。百貨店事業の継続と雇用維持を求める狙いで、実施されれば百貨店では約60年ぶりの事態となる。
28日にセブン&アイ経営陣との協議を予定しており、決裂すれば実力行使に踏み切る公算が大きい。池袋本店に勤務する組合員が出社を拒否し、入り口の一部を封鎖することも検討する。同店は休業に追い込まれる可能性がある。
一方、セブン&アイがそごう・西武へ取締役3人を派遣し、取締役13人のうち8人をセブン&アイ側の役員としたことが25日、判明。9月の売却を目指して意思決定をスムーズに進める狙いとみられる。
セブン&アイは昨年11月、そごう・西武を米投資ファンドに売却する方針を決定。しかし、家電量販大手「ヨドバシカメラ」の出店計画に労組や地元の豊島区が反発し、譲渡時期が未定となっている。経営側は今月23日に労組と協議したが溝は埋まらず、25日に予定していた譲渡時期確定のための取締役会を延期していた。