JA全農たまご(東京)が28日公表した卵卸値の2月平均基準値(Mサイズ、東京地区)は、1キロ当たり前年同月比152円高の327円となった。2月としては1981年の393円に次ぐ42年ぶりの高水準。致死率の高い高病原性鳥インフルエンザの大流行が主因で、卵不足からメニューを休止する外食チェーンも相次いでいる。
鳥インフルは今季、24日までに25道県で過去最多の76例が確認された。100万羽規模で鶏を飼う大規模農場での発生も多く、殺処分数も約1478万羽と最多を更新。ロシアのウクライナ侵攻を背景に餌代も高騰しており、野村哲郎農林水産相は「(供給不足は)すぐに解決する話ではなく、半年あるいは1年近くかかるかもしれない」との見方を示す。
飲食店では卵不足の影響が広がっている。すかいらーくホールディングスの主力チェーン「ガスト」では、「まぐろユッケ」やトッピングの目玉焼きなどの販売を16日から休止しており、「再開のめどは立っていない」(広報)という。定食チェーンの「大戸屋」でも、15日から「大戸屋風チキン南蛮」の提供を一部店舗を除き休止している。