自前ダークストアから配送プラットフォーマーに転換したONIGOのさらなる拡大戦略とは
注文から最短20分~1時間で商品を届ける「クイックコマース」に異変が起きている。コロナ禍を契機にさまざまな事業者が参入し、市場急拡大が見込まれたものの、2022年後半から撤退が相次ぎ、現在残るサービスも大都市中心の展開となっている。そうした中、21年6月に創業したONIGO(東京都/梅下直也社長)は直営から食品小売との提携によるクイックコマース展開に舵を切り、サービスをじわりと拡大している。
中部エリアにも進出!小売業との提携を加速
ONIGO(※サービス名も同名)は、首都圏の1都3県を中心に、注文から最短20分で食品や日用品を届けるクイックコマースを運営する。
直営のダークストアを東京都内2カ所に開設するほか、総合スーパー(GMS)のイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)、首都圏で店舗を展開するセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)傘下の食品スーパー(SM)旧ヨーク(23年9月1日付でイトーヨーカ堂に吸収合併)、イオン(千葉県/吉田昭夫社長)傘下のハードディスカウントストアビッグ・エー(東京都/三浦弘社長)、SMいなげや(東京都/本杉吉員社長)と提携し、対象エリアを順調に拡大してきた。23年11月には、名古屋市を拠点に51店舗を運営するローカルSMアオキスーパー(愛知県/青木俊道社長)と提携し、中部エリアにも進出している。


食品宅配の需要はコロナ禍で急拡大したものの、食品小売市場全体ではまだわずかな割合にとどまっている。そして、小売業が運営するネットスーパーの多くは、依然として収益面で課題を抱えているのが現状だ。ONIGO取締役共同創業者の山本敬明氏は「業界全体として健全な発展をするにはどうしたらいいのか、ということを考えていく必要がある。適正な価格、サービスレベルを提供し、継続可能なビジネスを作り上げることが、業界の発展と市場拡大につながるのではないか」と指摘する。
国内のクイックコマースは、コロナ禍での巣ごもり需要の追い風を受けて急速に拡大したが、社会経済活動の正常化に伴って、撤退が相次いでいる。
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