「ネットスーパーが不要なスーパーの特徴と代わりにすべきこと」ローランド・ベルガー福田稔氏
巣ごもり消費の活発化、内食ニーズの高まりにより食のECの需要が大きく拡大するなか、国内小売ではネットスーパーのサイトをリニューアルしたり、物流体制を強化したりなど、デジタル投資を加速させる動きが見られている。EC急拡大は一時的なブームなのか。すべての食品小売業はEC化に向けて動き出していくべきなのか。小売業のデジタル化事例に詳しい、ローランド・ベルガーのパートナー福田稔氏が解説する。
食ECの利用拡大は「一時的なもの」ではない!
コロナ収束後、多少の落ち着きはあるかもしれないが、食のEC利用の高まりは一時的なものでは終わらないだろう。
そもそも、食に関する行動は「日常のルーティン」であり、急に大きく変わるものではない。だが、今回のコロナ禍により、「いつもどおりに買物ができない」という状況を多くの人が経験し、食のEC利用へと向かった。その結果、ECの利便性が一気に広まり、これまでEC普及のボトルネックになっていたものが、取り除かれたと考えてよい。
リモートワークの浸透、それに伴う内食回帰という、新たに生まれた生活の基本パターンも、食のEC利用を促進すると見られる。ミールキットの進化、定期便による安心・安全な食の提供など、ECを活用したサービスレベルの向上もこうした動きを助長している。
ローランド・ベルガーでは、グローバル10カ国で、コロナ禍における消費動向の調査を実施している。商品カテゴリーごとに、オフラインとオンラインそれぞれの購買行動がどう変化したかを調査した結果、食品ではオフラインとオンラインの
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