カスミ、イオン、マルエツらが進めるSMのレジレスは将来の選択肢か、歴史の必然か
レジスペースの圧縮で店舗の可能性が広がる
カスミの山本慎一郎社長は、3月1日に開設したフードマーケットカスミ三郷駅前店(埼玉県三郷市)を、小型フォーマットの検証モデルと位置付けます。この店は商業施設の建て替え期間をつなぐ、実質的には仮設店舗ですが、この約220坪の売場でインストア比率を下げたオペレーションを試すそうです。標準店の半分以下という狭い売場における工夫の一つが、レジスペースの圧縮でした。
三郷駅前店の会計処理は、通常レジ2台とセルフレジ6台、それにスキャン&ゴーで行います。レジに割くスペースは標準店の半分ほど、会計処理に要する人員は全レジ稼働時で3名程度です。これはなにも小型店向けの特別対応というわけではなく、店の規模によって台数は変わるでしょうが、カスミの今の標準的なレジ構成は通常レジ・完全セルフ・スキャン&ゴーの3種類です。
USMHはレジシステムを内製化しており、カスミでは今後もハードを含めレジスペースの見直しを進めるそうです。コンパクトにすることはもちろんですが、会計のセルフサービス化を進めるにあたり、より使いやすいデザインや、レシート・釣り銭の取り忘れを防ぐ工夫をしていくと言います。
レジに割くスペースを減らし、会計業務の人時を下げることで小型店の可能性は広がります。また、レジスペース圧縮の目的は小型店の開発にとどまりません。山本社長は、今期の新店で導入を予定するイートインスペースの進化機能「カフェ&ダイン」のような、顧客との新たな接点を創出するサービスの場を確保するうえでも、レジスペースの圧縮は必要と言います。