「北の快適工房」の商品開発基準は850以上!北の達人コーポ木下勝寿社長インタビュー【前編】
13種類の効果を盛り込んだ育毛剤を開発
――最近のヒット商品は何ですか。
木下 16年9月に発売した「ヒアロディープパッチ」が大ヒットしています。絆創膏のガーゼ部分にヒアルロン酸を固めた剣山のようなものを付けた「マイクロニードル」という技術を採用した商品です。
ヒアルロン酸が保湿に効果的な成分だということはよく知られていますが、分子が大きく浸透しにくいという欠点もあります。浸透率を高めるには分子を小さくする手法が一般的ですが、「ヒアロディープパッチ」では逆に分子を大きくし、痛みを感じない程度の小さな針で皮膚に直接ヒアルロン酸を注入するという手法を採りました。年間売上は関連商品を含め40~50億円規模となっており、当社全体売上の約半分を占めるほどの商品に成長しました。
――ほかに同規模の売上を持つ商品はありますか。
木下 10~20億円程度の商品はありますが、まだ「ヒアロディープパッチ」ほどの規模には育っていません。最近ではオールインワンゲルの「シンピスト」や男性をメーンターゲットとした発毛促進剤の「モウダス」に力を入れています。「モウダス」を開発する際には、市販されている200種類以上の育毛剤を調べ、「抜け毛を防ぐ」「頭皮を健やかにする」など、各育毛剤が持っている効果を13種類に分類しました。しかし薄毛の原因は人によって異なり、複合的なものでもあるので、どれが自分に合うかは使わなければわかりません。そこで「モウダス」では13種類の効果をすべて盛り込み、誰にでも使いやすいようにしました。
後編では商品開発の方向性や利益アップの手法、今後の成長戦略についてまとめています。お楽しみに!