チラシと店頭販促で振り返る! オークワ、ヤマナカ、マックスバリュ東海の年末商戦

兵藤 雄之
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コロナ禍が長引く中、クリスマス販促時期の食品スーパーの店頭では、お客の“密”状態をつくらないよう、チラシの配布頻度を落としたり、チラシのサイズを小さくして掲載商品を絞り込んだり、といった感染拡大防止のための試みが見られた。とくに大都市圏ではこの傾向が強く出ていたようだ。これに対し、大都市に比べて感染拡大ペースが緩やかな地方都市では、例年通り、B3見開きサイズの大判チラシ合戦を繰り広げている地域もあった。最終回では、愛知県は豊橋エリアにおける、食品スーパー各社のクリスマス商戦を振り返っていく。

激戦区、豊橋エリアの販促を調査!

 「23日、24日の売り出し商品を見ると、各店の必死さが伝わってくる」

 豊橋エリアにおけるクリスマス販促について、ある業界関係者はそのように話す。

 和歌山県地盤の大手チェーンのオークワは2020年2月、東海エリアのドミナント強化を図るため、愛知県13店舗目となる「オークワ豊橋ミラまち店」を出店した。この周辺はいまだに人口が拡大しており、同店から半径約2km圏内には、「フィール豊橋あけぼの店」、「マックスバリュ豊橋橋良店」、「ヤマナカ豊橋フランテ館」とリージョナルチェーンが店を構えるほか、「クックマートユーアイ店」、「サンヨネ高師店」と地元チェーンも店舗を展開中だ。さらに21年初夏には、静岡地盤の遠鉄ストアも同エリアに進出する予定で、愛知県屈指の激戦区となっている。

オークワ

ローストチキン、ステーキのほか、鮮魚も積極提案!

 同エリアではどのようなクリスマス販促を行っていたのだろうか。この地域で最も「新参者」であるオークワの折り込みチラシの打ち出しは、「おウチごはんHappy Christmas」だ。

クリスマス販促の主役はローストチキン。総菜コーナーでは、山口県深川養鶏の「長州鶏」を使用した「長州鶏ローストレッグ」(1本598円)を、精肉コーナーでは、「国産ローストチキンレッグ」(1本498円)を訴求。ステーキでは九州産「5等級黒毛和牛モモステーキ」(100g880円)、「国産交雑牛ロースステーキ」(300g1000円)を売り出していた。

 そのほか、クリスマスディナーとして、「トマトソースのチーズピザ」(498円)、「海鮮パエリア」(498円)のほか、個食鍋セットの「すき焼き鍋」、「キムチ鍋」、「ちゃんこ鍋」なども揃えている。
 
 クリスマスメニューのほかに、同店が力を入れているのが鮮魚売場だ。「毎月3日・13日・23日はオークワ魚の日!」と題し、クリスマス期間中は、韓国産「めばちまぐろブロック」、アルゼンチン産「赤えび」、オーストラリア産「有頭えび」、静岡県産の「釜揚げしらす」などを目玉に、その日のオススメの魚をお客の好みに合わせて、その場で下ろして販売していた。

フィールコーポレーション

チキンの売り込みに注力、おせち商品も!

 売上規模で愛知県第4位のポジションにつけるフィールコーポレーション(以下、フィール)では、「お家de楽しむクリスマス」をキャッチにクリスマス販促を展開する。

 クリスマスチキンとして、できたて総菜の「九州産ローストチキンレッグ」(1本580円)、「ローストチキン」(1本398円)、「骨なしあぶり焼きチキン」(2枚入り298円)をラインアップするほか、から揚げの「Fチキ(プレーン・スパイシー)」(2枚入り1パック298円)も積極的に提案していた。国内産「若鶏骨付モモ肉(筋目入り・解凍)」(100g99円)、アメリカ産「若鶏骨付モモ肉(解凍)」(100g59円)など、手づくり志向に対応した商品も揃えていた。

 チキンに次いでクリスマスメニューの主役になることが多いステーキだが、フィールではその影が薄く、代わりに登場するのがハンバーグだ。また、24日限定の扱いで、バイヤーオススメ商品としてカナダ産「味付牛肩ロース肉ブロック(ローストビーフ用)」(100g228円)を販売していた。

 同エリア内で、クリスマス期間のチラシ内で正月関連を掲載しているのは同社のみだった。昆布巻き、蒲鉾、伊達巻、京風だし焼玉子、塩数の子、たつくり、上乾にしん、なます、千枚漬けなどをアピールしていた。

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