人口減の低成長時代に生協が取り組む「物流再編」の中身とは
2000年前後、個配の急成長を受け、生協は宅配の成長戦略のバックアップとして全国的な物流再編を進めた。単協(単位生協)からリージョナル事業連合の物流へとシフトし、物量結集で物流センターは大型化した。
それから20数年、物流センターの改編期を迎え、新たな物流再編が始まっている。コロナ禍以降、商品価格と事業コストは上昇トレンドにあり、さらに超少子高齢社会・人口減少で事業の大幅な成長は見込めない状況にある。
こうした逆風のなかで物流コストを抑え、いかに買いやすい価格で商品を提供しながら事業を安定的に継続できるか。成長戦略を支える物流から事業環境の変化に耐えられる物流構築へ──。生協の新たな宅配物流戦略をクローズアップした。
成長を支えた宅配物流に新たな「再編の波」
2000年度、1兆5000億円だった生協の宅配事業の供給高(売上高)は、23年度に2兆1000億円と40%増加し、宅配事業に含まれる個配事業は00年度4000億円から23年度1兆5000億円へと3.7倍に拡大した。00年からの5年間、アイテム拡大と物量増対応をポイントに全国で30もの物流センターが新設され、宅配の成長を支えた。
物流再編から20数年を経て、既存の物流センターが老朽化し、20年代に入り新たな再編が始まっている。コロナ禍以降、好調を続ける冷凍品の強化として要冷物流センターを中心に、24年度だけでも上期に事業連合、地域生協の5つの物流センターが新設・稼働し、さらに下期から25年度に向けて4つのセンター新設のプロジェクトが進行している。
物流効率化で買いやすい価格に
コロナ禍後、宅配事業の概況では、
ほんとはスゴイ生協 の新着記事
-
2024/10/31
上位10生協中8生協が2ケタ増益!23年度生協経営指標ランキング -
2024/10/31
利益700億円超を組合員に還元!コープさっぽろが学ぶ先端生協の戦略とは -
2024/10/31
日本生協連トップが語る「全商品でエシカル、健康、おいしさに対応」の中身とは -
2024/10/30
人口減の低成長時代に生協が取り組む「物流再編」の中身とは -
2024/10/30
消費者調査、もっとも利用された生協宅配・ネットスーパーベスト10とは -
2024/10/29
京都生協、旗艦店建て替えで30代客が3割増!その取り組みとは
この特集の一覧はこちら [13記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-10-25入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2024-11-06「BLΛNDE」4店目は都内初出店!東京ならではの売場演出、商品で差別化図る
- 2024-10-31上位10生協中8生協が2ケタ増益!23年度生協経営指標ランキング
- 2024-11-09卸オリジナル商品市場、トレンドを取り入れた付加価値の高い商品開発が加速
- 2024-11-02イオンリテール、住居余暇実験店「イオンスタイル大日」の売場づくり解説
関連キーワードの記事を探す
物流拠点集約も!15社参画「東北物流みらい研究会」がめざす課題解決とは
置き配、ロッカーを超える利便性?ライブトラッキングが促す物流改革とは
入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由
新規参入が簡単ではない?コープさっぽろ、「物流で参入障壁」つくる戦略の全貌
あの夢グループともコラボ みやぎ生協、斬新な施策で宅配新規加入1.7倍の舞台裏