将来的なリスクを適切に管理する「潜在的問題分析(PPA)」の技法

青木 英彦 (東京理科大学大学院教授)
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将来の問題を想定し、影響を最小限に抑える

 本連載ではこれまで、経営における合理的な意思決定には「型と論理」があり、それを「技法」として修得することにより、経営力を飛躍的に高めることを見てきた。今号では、KT法最後のステップである「潜在的問題分析」(PPA:Potential Problem Analysis)の技法を詳しく紹介したい。

 ここまで見てきたステップは、①状況把握、②問題分析、③決定分析の3つであり、それぞれのステップにおいて、定石となる意思決定プロセスがあることを理解いただけたと思う。

問題解決 イメージ画像
将来的に大きな悪影響を及ぼす可能性のある問題について、事前に察知・予防し、回避困難な場合はその影響を最小限に抑えるための方法が、潜在的問題分析だ(写真はイメージ、Nuttawan Jayawan/istock)

 これらのステップを経て下された意思決定には、当然、新しい問題を引き起こすリスクがある。また、何も決定しない場合でも、将来的に問題が発生するという潜在リスクは常に存在する。たとえば、

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記事執筆者

青木 英彦 / 東京理科大学大学院 教授

東京理科大学大学院 経営学研究科 技術経営専攻(MOT)教授。

1989年神戸大学経営学部を卒業し、野村総合研究所に勤務。野村證券インターナショナル(米国ニューヨーク市)、ゴールドマン・サックス証券、メリルリンチ日本証券、野村證券にて小売・EC担当証券アナリスト業務に従事。2020年9月より現職。1994年米国Duke大学Fuqua School of BusinessにてMBA取得。2018年神戸大学大学院経営学研究科後期課程修了、博士(経営学)。日本証券アナリスト協会検定会員、CFA協会認定証券アナリスト、日本小売業協会CIO研究会ステアリングコミッティ委員。同流通サプライチェーン政策研究会メンバー。21年12月より加藤産業株式会社社外取締役、23年6月より株式会社ワールド社外取締役

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