世帯利用率3割、1500億円めざすコープさっぽろの宅配戦略
コープさっぽろの主力事業のなかでも近年の成長をけん引してきたのが宅配事業だ。“打倒アマゾン”を掲げて先行的に物流基盤を築き、積極的な物流インフラへの投資により、食品スーパー(SM)とドラッグストア(DgS)の品揃えをカバーすることで、道民の購買チャネルとしての大きな存在感を放っている。近年はカタログやスマホアプリの進化により利便性を高めるほか、持続可能な事業運営のための試みも始めている。
ここ17年で供給高はおよそ2倍に成長
コープさっぽろの宅配システム「トドック」の起源は、1981年に開始した「月例協同購入」にさかのぼる。組合員3人以上の班単位で月1回購入する形式で、組合員から注文を受けて商品をまとめて仕入れ、仕分けて配達するという基本的な仕組みが確立された。
その後1997年に、手数料200円(税別)で組合員1人から注文できる戸別配達(戸配)「らくらくメイト便」を開始。社会の変化に伴って2004年には戸配の供給高が協同購入を上回ったことなどから、2006年に「コープさっぽろ宅配システム トドック」に改称し、戸配と協同購入で配達ごとに一律のシステム手数料を課す形式に変更した。
宅配事業の供給高(商品売上高に相当)は06年度時点の600億円弱から直近の23年度には1134億円へと、この17年でほぼ倍増している。
事業の拡大を支えてきたのは、
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