消費者3000人に聞いたネットスーパー最新利用動向2024 値上げ受け利用動向シビアに

解説:金田 葵(mitoriz DMB本部)
辻本 崇(mitoriz-dmb本部)
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コロナ禍を契機に大きく利用が伸びたとされるネットスーパーだが、行動制限解除、それに伴う経済正常化により、一部の業態・企業では“リアル店舗回帰”の動きもみられている。また、2023年は記録的な食品の値上げラッシュにも見舞われ、消費環境は様変わりしている。そうした中、消費者はどのようにネットスーパーを利用しているのだろうか。本誌おなじみのmitorizのアンケート調査からネットスーパーの利用動向を紐解いていきたい。
調査期間:2023年12月1~12日、POB会員「レシート de Ponta」サイトによるインターネットリサーチ

前回に続いて実店舗のみが7割超

 mitoriz(ミトリズ:東京都/木名瀬博社長)は、全国50万人以上のアクティブユーザーから月間1000万件のレシートデータを収集する消費者購買行動レポートデータサービス「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy」(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)を運営し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。

 今回はネットスーパーの利用状況について、レシート投稿サービス「レシート de Ponta」の会員のうち20代・30代・40代・50代・60代の各600人からなる計3000人を対象に、ネットスーパーの利用状況に関するインターネットアンケート調査を実施した。回答結果の分析では、年代別の回答数に比重値を乗じて調整した「ウエイトバック集計」を採用し、年代別の人口構成比による偏りを排除して全体の傾向を調べた。

 まず、ふだん使いの生活必需品の購入先を聞くと(図表❶)、「実店舗のみ」が74.8%で最も多い。ネットスーパーを利用する割合は「実店舗とネットスーパーを併用」(22.8%)と「ネットスーパーのみ」(0.2%)を合わせた23.0%だった。回答者が同一ではないため参考程度だが、22年12月に実施した同様の調査(以下、前回調査)と比べてネットスーパー利用者の割合は1.2ポイント減少している。

ふだん使いの生活必需品の購入先図表❶ふだん使いの生活必需品の購入先
図表❶ふだん使いの生活必需品の購入先

 年代別でみると(図表❷)、「実店舗しか利用しない」人は40代(78.7%)と50代(78.0%)で多く、「実店舗とネットスーパーを併用」する人は20代(26.3%)と60代(26.0%)で多かった。

年代別ふだん使いの生活必需品の購入先
図表❷年代別ふだん使いの生活必需品の購入先

実店舗しか利用しない理由は

 実店舗しか利用しない人にその理由を聞くと(図表❸)、「近所に店舗があるから」(80.3%)が全世代で圧倒的に多く、「必要なものは買いに行ったほうが早い」「すぐに使いたいものが手に入らないのでネットスーパーは使いたくない」のようにオンデマンド性を重視するコメントもみられた。また、「徒歩圏内に店舗があるので運動を兼ねて買物をしている」、「運動不足の解消のため店舗まで歩く」など、健康維持の目的を兼ねて近隣の店舗を日常的に利用する人もいる。

実店舗しか利用しない理由
図表❸実店舗しか利用しない理由

 また、「自分で商品を確かめて購入したいから」

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