栄養成分表示に対する意識調査 「カロリー」「糖質」に続く、消費者が気にする注目成分は?

有木 真理 (ホットペッパーグルメ外食総研所長)
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みなさんは、食品スーパーやコンビニで食料品を手にするとき、また外食でメニューを選ぶ際に何を気にして、どんな栄養成分を確認するだろうか?原材料や栄養成分など、商品パッケージにはさまざまな表示がされている。このうち今回は「栄養成分表示」について記述したい。

「栄養成分表示」は
「あった方がよい」が約8割

  昨今、食品の栄養成分表示は当たり前となっている。

 たとえば買物の際、ダイエットやウエイトコントロールのためのカロリーやたんぱく質の含有量を確認する、成人病予防のために脂質や炭水化物、食塩の含有量を参考にするなど、健康管理のために栄養成分表示を見て商品を購入する人は少なくない。また、食す際には栄養成分表示を参考に、摂取量を調整する人もいる。

 一方、外食では、カロリーなど栄養成分表示のニーズはあるのだろうか。

 ホットペッパーグルメ外食総研では、飲食店での料理の栄養成分表示に関する意識調査を行った。まず、「栄養成分表示」そのものについては、「あった方がよい」と答えた消費者が79.6%とかなり高い結果となった。これは昨今の健康志向やダイエットブーム、食品の安全性への意識の高まりなどが背景にあると考えられる。

参考項目上位は
カロリー、糖質、脂質

 なかでも、選ぶ際に参考にする項目を問うたところ(複数回答)、1位は「エネルギー(カロリー、熱量)」で37.5%と最も多く、「炭水化物(糖質)」の28%、「脂質」の26、7%が続いた。いずれもダイエット中の方に注目されやすい項目が上位に挙がっている。

 実際、この項目を参考にする理由の多くは、健康志向やダイエットに関連するものだった。ダイエットやウエイトコントロールは、どの時代も意識されている要素である。昨今は糖質制限ダイエットがトレンドであったため、炭水化物が2位にランキングされたのであろう。

 またこの3つの栄養成分は、さまざまな栄養成分のなかでも、以前から表示している商品が多く、また炭水化物や油ものを控える・・・といったわかりやすさから、比較的、消費者が自身で摂取量をコントロールしやすい。そのため、日常のなかで意識的に目がいきやすいのではないだろうか。

 続いて4位には、「食塩相当量(ナトリウム)」(21.0%)がランクインしている。5人に1人が気になっているという結果となった。これは、高血圧などの成人病を気にするだけではなく、塩分を取りすぎるとむくみやすいなど…美に対する意識も相まっての結果であろう。

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記事執筆者

有木 真理 / ホットペッパーグルメ外食総研 所長

飲食チェーン店での勤務やフードコーディネータ、リクルートライフスタイル沖縄の代表取締役社長を経て、現職。東京と沖縄の2拠点生活を送りながら、現在は販促渉外部長も兼任。外食回数年間300回と、大の外食好きで、日本各地の外食事情に詳しく、立ち飲みから超高級店まで幅広いジャンルに精通。食を通じて「人」と「事」をつなぐ活動のオーガナイザーとしても活躍。沖縄スポーツ関連産業協会の理事も務めているため、食以外にも観光、スポーツにも関わっていることから外食だけでない視点での食トレンドを語ることができる。

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