バロー商品部長が語る農産部門のMD戦略!回転率高め、売上・粗利を改善!
バローが店の旗振り役として位置づけるのが農産部門だ。売場の先頭にある農産は、店に入った瞬間に客の買物スイッチを入れる売場にする役割を担っている。スローガンとして、各店が八百屋として成立できるような専門性をめざすという意味で「全店総八百屋」を掲げる。ここ数年は回転率向上に取り組み、売上を伸ばし、収益改善も果たしている。農産の商品政策について、同社執行役員農産部部長、洋日配部部長の平野大輔氏に語ってもらった。
「ネオD・S」で売上ボトムアップ!
バローの農産部門では「コロナ後」を見据えて早期から手を打ってきた。具体的にバローは目的来店性を高める「デスティネーション・ストア(D・S)」化という手を打ってきた。競合店を飛び越えて目的買いでバローに来店してもらうために、生鮮強化で売上を伸ばす政策だ。コロナ下にM&A(合併・買収)で加工センターや製造会社をグループ化し店の後方支援も強化してきた。
D・S化は、売上上位の店の売上をさらに伸ばしていく「トップアップ」の政策だ。必然的に売上上位店と下位店の差がつきやすい。そのため今後は下位店を引き上げていく「ボトムアップ」が必要になる。その政策が「ネオD・S」化だ。ネオD・S化は、店舗運営の効率化を図るが、だからといって万屋のような店ではなく、売場で専門性も表現できる店をめざしている。
たとえば、加工センターを使い加工納品を増やすことで売上上位店の従業員を1人減らし、下位の店の従業員を1人増やす。具体的には、店を農産の平均日販によって「旗艦店」「地域いちばん店」「標準店」「伸び代店」「安心安全店」と分類している。旗艦店、地域いちばん店の加工納品を増やし、その人員を、全体の4割強を占め最も店数の多い伸び代店に投入するのである。改装や商品構成の変更ではなく、人を投入することで売上を伸ばす。「伸び代店のネオD・S化」で少なくとも売上20~30%増が期待できる。
バローは農産を「旗振り部門」と位置づけている。旗振りというのは人気取りという意味で、店に入った瞬間にお客さまの買物スイッチが入るような売場にするという役割を担う。具体的に取り組んでいるのがお値打ち商品の打ち出しだ。バローはチラシをなくす方針を打ち出しており、それを見据えた取り組みの1つだ。
農産には野菜部門と果物部門がある。野菜では店に入った瞬間に、
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