4200億円投資実を結ぶ!欧州リテールメディア最大手、カルフールの戦略

太田 美和子
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アマゾン(Amazon.com)やウォルマート(Walmart)が先行して進めたリテールメディアは、世界中の小売企業に広がりつつある。世界の市場規模はすでに3兆円とも5兆円ともいわれ、米国では2年以内にテレビ広告市場を上回ると予測される。

 欧州でも大手小売企業を中心にリテールメディアの導入が進んでいる。今回はその先進的な企業の1社であるカルフール(Carrefour)を取り上げる。

カルフールECサイトトップ画像

 カルフールは2021年6月にデジタル広告プラットフォームのカルフール・リンクス(CarrefourLinks)を開設した。カルフールは同プラットフォームの導入までに相応の年月を費やした。国際的な小売グループのカルフールには国ごとにECサイトがあり、データは連携されていなかった。そのうえ、各国のサーバーのキャパシティでは、リアルタイムの顧客データ分析を行うことは難しかった。

 そこで18年、テクノロジーとデータを経営戦略の中核に据え、以後5年間で同分野に28億ユーロ(約4200億円)の投資を行うことを決定した。18年から2年間かけて欧州最大のデータレイク(ビッグデータを生データのまま格納できる収納庫)を構築し、各地に分散していたデータを一元管理すると同時に、数百人のデータ・サイエンティストを雇用した。このようにデータの連携と分析

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