学校設立も!サステナブルな農業に挑む英モリソンズの取り組みとは
英国の食品小売企業上位4社を「ビッグ4」という。売上規模順に、テスコ(Tesco)、セインズベリー(Sainsbury’s)、アズダ(Asda)、モリソンズ(Morrisons)である。
モリソンズは英国中部の都市、ブラッドフォードに本社を置き、スーパーマーケット(SM)をはじめとする食品小売店舗約500店を運営するほか、他小売企業へ食品卸を行う。2021年度売上高は175億9800万ポンド(約2兆8500億円)。企業規模は「ビッグ4」で4番目だが、生産者からの農作物の直接仕入額では最大である。現在、英国内だけでも2700戸を超す生産者と契約し直接仕入れを行う。精肉、牛乳とチェダーチーズ、鶏卵は1年を通して100%英国産を買い付けられる調達体制を築いている。
モリソンズは以前から国内生産者の支援に取り組んできた。たとえば、15年10月には「フォア・ファーマーズ( For Farmers)」商品の販売を開始した。国内の生産者支援の促進を目的とする「フォア・ファーマーズ」の商品は、モリソンズのプライベートブランド(PB)商品よりもやや高い価格設定である。そして、価格上乗せぶんは全額、同社の契約農家も加盟する農業生産者団体に還元する。その金額はこれまでで計2000万ポンド(約32億4000万円)に上る。
このほか、生産者がビジネススキルを学べる講座を無料で開催したり、大学の授業料を支援するファンドを設立したりしている。
さて、そんなモリソンズは、
太田美和子のユーロトレンド の新着記事
-
2024/03/21
欧州で 再び 小商圏小型店の開発が進む理由とは -
2024/02/17
苦境に立つ欧州百貨店 手を差し伸べるタイのセントラルとは -
2024/01/20
英国でセインズベリーがアルディからシェアを奪取!その手法とは -
2023/12/06
ヨーロッパでも中華系EC が勢力拡大の理由と戦略 -
2023/11/06
経営資源を「そこに集中?」スペイン百貨店ECIの戦略とは -
2023/10/05
無人店舗も拡大中、CVS9000店を展開するポーランドの「ジャプカ」とは
この連載の一覧はこちら [40記事]
関連記事ランキング
- 2022-09-05アパレル一本足打法から脱却、ゴディバの店も手掛けるワールドのプラットフォーム事業とは
- 2022-09-06イオンリテール、バックオフィスのDXで生産性向上を図る2つのツールとは
- 2022-08-30小売業巻き込み、食品トレーのリサイクル、再生トレーの普及進めるエフピコとは