アホールドの成長をけん引!アルバート・ハインの先進的な具体策とは
世界的小売グループのアホールド・デレーズ(Ahold Delhaize)が、「突出した食品の買物体験の創造」を掲げる3カ年成長戦略「リーディング・トゥギャザー」の最終年度である、2021年度(期末:22年1月2日)の決算を発表した。売上高は対前年度比1.2%増の756億ユーロ(約9兆8300億円)だった。コロナ禍の困難な時期にもかかわらず業績を維持できたのは「戦略を着実に実行したからだ」と同グループは分析した。
アホールド・デレーズは、「オムニチャネルの成長の推進」と「健康とサステナビリティの促進」を成長のけん引車にする戦略を立てた。同グループが展開する世界10カ国の19ブランドの中で、OMO(オンラインとオフラインの融合)、健康、サステナビリティにおいて最も顕著な進化を遂げたのはアルバート・ハイン(Albert Heijn)であろう。
アルバート・ハインはオランダとベルギーにスーパーマーケット(SM)「アルバート・ハイン」とコンビニエンスストア(CVS)「アルバート・ハイン・トゥ・ゴー」を合わせて1122店舗(21年度末)営業するほか、ネットスーパーも運営している。本社のあるオランダではネットスーパー(ah.nl)を20年以上前にスタートし、21年時点で同国食品EC市場の41%のシェアを持つ(スーパーマルクト&ライムテ調べ)。フルフィルメント施設であるホーム・ショップ・センター(HSC)は2カ国合わせて5カ所ある。同社最大の2万㎡の広さを持つアムステルダムHSCは、1週間に4万件の注文に対応できる。
「OMO」「健康」「持続可能性」を推進
アルバート・ハインがOMOを推進するうえで重要な役割を果たしているのが
太田美和子のユーロトレンド の新着記事
-
2024/03/21
欧州で 再び 小商圏小型店の開発が進む理由とは -
2024/02/17
苦境に立つ欧州百貨店 手を差し伸べるタイのセントラルとは -
2024/01/20
英国でセインズベリーがアルディからシェアを奪取!その手法とは -
2023/12/06
ヨーロッパでも中華系EC が勢力拡大の理由と戦略 -
2023/11/06
経営資源を「そこに集中?」スペイン百貨店ECIの戦略とは -
2023/10/05
無人店舗も拡大中、CVS9000店を展開するポーランドの「ジャプカ」とは
この連載の一覧はこちら [40記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-15クシュタールのセブン買収提案は米国内でどう報じられているのか、在米ジャーナリストが解説
- 2023-06-08アメリカ小売業トップ10社ランキングに見る、大手企業の最新動向!
- 2024-11-15標準店の1/4!ホールフーズ、都市型小型店の全貌
- 2024-11-01日本展開に意欲!英テスコがネットスーパーの“外販”開始、高い実力とは?
- 2024-11-19激変小売マーケティング「ターゲットショッパー」の設定方法
- 2019-05-22奇跡のスーパー マーケットバスケットの旗艦店はこんなにすごかった!
- 2021-03-22SDGsで先行する欧米食品スーパーの現状は?ウォルマート、クローガー、テスコの事例を紹介
- 2021-12-03ヨーロッパでも急増中!レジなし店舗、意外な顧客ニーズとは?
- 2022-04-27米国主要3業態の寡占化ランキング、リージョナルスーパーが伸びる理由とは
- 2023-02-16わずか5年で4兆円市場に急拡大!リテールメディア売上を増やす3つの方法とは